新作「君たちはどう生きるか」は好スタートも……今後のスタジオジブリに5つの不安材料

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その4 目立ち過ぎるトップ

 4月1日付でジブリの社長には、05~08年に社長を務めていた同社代表取締役プロデューサーだった鈴木敏夫氏(74)が復帰。星野康二社長兼会長(67)は代表権のある取締役に退き、6月に同社を離れたが、この社長交代劇は“内紛”が原因とされている。

 3月末に「週刊女性PRIME」が報じたところによると、鈴木氏は13年ごろにタイ人のシングルマザーにひと目ぼれ。18年にタイのバンコクにオープンしたジブリ公認レストランの運営を任せたり、20年に発売したジブリ美術館」の公式写真集では、カメラの経験もない彼女をジブリ公式フォトグラファーに起用したりしていたという。

 星野氏がそれに苦言を呈したところ、社長の座を降ろされ退社することになってしまったという報道に対し、鈴木氏はかなり強硬に否定していたのだが、

「鈴木氏ばかりが会見など公の場に登場しましたが、作品の制作過程などをまったく把握しておらず、報道陣は宮崎監督にいろいろ聞きたいのでフラストレーションが溜まってしまいました。今年4月8日から12月17日まで岩手・花巻の大沢温泉で件のタイ人女性の写真展が開催されているのですが、そのタイトルは『もうひとつの鈴木敏夫とジブリ展 鈴木が愛した風景写真』。ちょっと目立ち過ぎのような気がします。今後、宮崎監督が引退しても、ジブリは版権管理会社に業態替えすれば安泰でしょう。仮に鈴木氏が社長の座を退くことになったら、優秀なアニメーターたちは続々と会社を離れる可能性がある」(映画担当記者)

その5 後継者の不在

 宮崎監督の長男・宮崎吾朗氏(56)は、監督として「ゲド戦記」(06年)、「コクリコ坂から」(11年)などを手掛け、宮崎監督の後継者に名乗り出たかと思われていた。

 しかしその後、アニメ制作から徐々に離れ、昨年11月に愛知県長久手市にオープンしたスタジオジブリの世界を再現した「ジブリパーク」の制作総指揮を手掛けた。

「父親に勝るとも劣らないアニメ製作の才能を見せ付け、『ゲド戦記』は78.4億円の興行収入を記録し、『コクリコ坂』は44.6億円でした。ただ、あれこれダメ出しする父親に嫌気が差してしまったようです。ジブリパークの仕事に専念して、後継者どころか、もうアニメ製作には関わらないとも言われています」(同)

 このままだと、どうやら、今作が宮崎監督の“引退作”=最後のジブリアニメになってしまう可能性もありそうだ。

デイリー新潮編集部

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