「YouTuberはオワコン」の指摘は本当だった…「手越祐也」「マックスむらい」は象徴的 苦境にあえぐ著名人の具体名と原因
木下隆行への批判
苦戦しているYouTuberの共通点として、井上氏は「ショート動画を作っていないか、ショート動画の人気がない」ことを挙げる。
「マックスむらいさんもショート動画に挑戦していますが、数万の再生回数しか稼げていません。今や単に動画をアップしただけでは再生回数は伸びません。まずはショート動画で視聴者の関心を集め、そこから本当の動画に誘導する必要があります。YouTubeに動画を投稿した経験のない方でも、これがどれほど大変かは感覚的に分かると思います」
さらに井上氏は「視聴者が動画作成者の“倫理性”を重視するようになった」と指摘する。その変化を象徴するYouTuberが、お笑いコンビ・TKOの木下隆行(51)だ。
お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の元メンバー・宮迫博之(53)は、不倫疑惑や闇営業問題でテレビ視聴者の信頼を失い、2019年からYouTubeに活動の場を移した。一部で予想されていたほどの成功は収められなかったが、それなりの人気は確保した。
「木下さんもYouTubeに参入しましたが、今のところ数千から数万の再生回数しか稼げていません。結局、原点である“謝罪動画”の再生回数が断トツという皮肉な状況になっています。再生回数が少ない割にコメントは非常に多く投稿されており、その大半が2020年に表面化した木下さんの“パワハラ疑惑”を批判するものです。依然として視聴者は木下さんを許していないことが分かりますが、こうした“YouTuberの倫理性を問う”という傾向は、年々強くなっている印象です」(同・井上氏)
カップル系YouTuber
井上氏は「誤解を恐れずに言いますが」と前置きした上で、「YouTubeの視聴者が負抱く“倫理観”が、ワイドショーの視聴者のそれと似通ってきた気がします」と指摘する。
「不倫した芸能人に対する報道に代表されるように、ワイドショーは金銭、異性、暴力という3大トラブルは容赦なく批判し、視聴者の支持を集めてきました。草創期のYouTubeには無法地帯といった感もありましたが、2013年に“バカッター”が流行語になったこともあり、徐々にYouTubeの視聴者も出演者の言動に厳しい視線を向けるようになっていったと思います」
「YouTuberはオワコン」という指摘は多い。その中でも“カップル系YouTuber”の終焉は顕著だ。そして、ここにも“倫理”の問題が大きな影響を与えているという。
「カップル系YouTuberでは、どちらかが浮気や不倫をしてしまい破局を迎えるケースが少なくありません。芸能人の不倫を批判するのと同じトーンでカップル系YouTuberが批判され、その“市場価値”も暴落してしまったのです」(同・井上氏)
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