「お前なんかいらない」「憎ったらしい顔しやがって」 『君たちはどう生きるか』生みの親の編集者に凄絶パワハラ疑惑が

エンタメ

  • ブックマーク

“心当たりはない”

 もはや、被害の告発は後を絶たないが、ハラスメントには何かと厳しいこのご時世。流行の最先端を体現してきた出版社で、問題にはならなかったのか。

「1年半ほど前、労働組合から話が上がり、会社から鉄尾さんに聴き取り調査が入ったことがあったんです」

 とは、冒頭の同社関係者。

「しかし、会社は『職場環境を改善する』などと曖昧な結論を出し、問題にふたをしてしまった。たしかに、これを機に編集長が代わり、鉄尾さんと部員が直接話す機会は減ったようなのですが、部の実権は鉄尾さんが握ったままで、根本的な解決には至っていません」

 会社がこれだから、当事者たちは黙って去るしかない、と訴えるのだ。

 さて、当の鉄尾氏はどう答えるか。本人の携帯にかけてみると、

「(パワハラに)心当たりはないですね。いろいろ(部員の)入れ替わりがあったりはしますけど、その方々の適材適所で。会社からの調査はありましたけど、これ以上お話しすることはございませんので」

 念のために会社にも尋ねると、担当役員は、

「書籍編集部は恒常的な黒字部署へと変容しており、コミュニケーションのあり方に関しては、新編集長の起用等の改善をはかっております。私が話の場を持った退職者からは、一度たりとも『ハラスメント』という発言はありませんでした」

 昭和の感覚そのままに、“彼らは”令和の時代を“どう生きる”のだろうか。

週刊新潮 2023年7月27日号掲載

ワイド特集「夏の陣」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。