1軍レベルではなかった浅野翔吾(18)は「なぜ2週間も帯同したのか」 不可解なドライチ起用に浮かぶ原監督の“出処進退”の心底

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浅野自身が分不相応の1軍を自覚

 それでも、現時点での1軍は分不相応だった。当の浅野が抹消の前日に「1軍にいさせてもらっているが、戦力として見てもらえるように。新人だからとか体験とかではなく、呼んでもらえる理由が戦力と言ってもらえるように頑張りたい」と1軍レベルにほど遠い自身の現在地を自覚していた。

 浅野が1軍に滞在した間、チームは2勝7敗と大きく負け越した。一方で浅野が抹消された後半戦は2連勝と好スタート。最終的に僅差でリーグ優勝を逃すことにでもなれば、この期間の不振は致命傷になりかねない。

 6月下旬には坂本勇人に続き、大勢までもが故障離脱していた。チームが苦境に陥っていた時だったからこそ、浅野に1軍を体験させる余裕などなかったのではないか。「終盤の消化試合ならまだしも、優勝を目指していこうかという時期。(1軍の)他の選手は浅野の1軍がふさわしくないと感じ、原監督の真意を測りかねていた。2軍には浅野より成績を残していた選手もいる。監督が実力主義でチームの総力を挙げて戦う采配を振らなければ、勝てる試合も勝てない」とはチーム関係者の言葉だ。

本当に進退が懸かっているのか

 巨人史上で同一監督による2年連続Bクラスはない。昨季4位だった原監督は今季が3年契約の2年目ながら進退問題と隣り合わせとされてきたのだが……。

「原監督は巨人監督としては今回が最後で、惜しまれながら辞める青写真を描いていると聞く。三顧の礼で再登板した経緯から巨人から辞めさせることはできない。自ら今年で辞めるとすれば、リーグ優勝や日本シリーズに進出するなど、勇退と言える成績を残したケースだけ。巨人では(監督として史上最多の勝ち星を挙げる)名将の地位を築き、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも優勝した。晩節を汚さない身の処し方を探っているようで、最下位にでもならない限りは続投し、(契約が切れる)再来年以降も指揮を執ることはあり得る」(前出の元監督)

 それだけに、浅野の“体験1軍”には原監督の続投への意欲が透けて見えたという。

「確かに今のセ・リーグは阪神、広島、DeNAと上位球団が混戦で、どこも抜け出すには決め手を欠く。ヤクルトが独走した昨季に対し、今季は巨人にも十分勝機はある。昨季の後半のように最下位の心配もない。しかし、そんな状況だったとしても戦力にならない選手を1軍に上げている場合ではない。シーズンの佳境に差しかかりつつある中でも、原監督がなりふり構わない采配になっていないことが今季で退任しないことを物語っている」

 数年後、戦力になった浅野を、原監督が1軍に呼び戻すこともあるのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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