乱立と奪い合いのせいで…スタートした夏ドラマに異変 「VIVANT」が「ラストマン」より低視聴率とは

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連投する役者たち

 朝ドラ「舞いあがれ!」(NHK)でブレイクした赤楚衛二は、「こっち向いてよ向井くん」(日テレ)でGP帯の連ドラ初主演だ。

「前クールの『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と―』(TBS)では、同じくNHKの朝ドラ『なつぞら』でブレイクした山田裕貴に次ぐ2番手でした。晴れて主役となりましたが、初回6・0%はやや物足りない数字でしょう。『向井くん』には放送直前まで未発表だったキャストがいましたが、それが波瑠でした。前クールで彼女は、同時間帯にフジで放送された『わたしのお嫁くん』に主演していたので、なかなか発表できなかったのでしょう。局は違うものの同じ曜日の同じ時間帯に2クール連続で出演したりするのも、ドラマ枠が増えたため俳優の奪い合いになっているということです」

 もっとも、近ごろの連ドラで忙しいのは“超A級”クラスの俳優ではないという。

「木村拓哉や綾瀬はるか、若手では広瀬すずや吉沢亮といった“超A級”は、民放の連ドラは年1本以下に絞り、主演映画に力を注ぎます。そうすることで、連ドラには既視感がなくなり、待望感も生まれます。一方、彼らに追いつけのA級予備軍の俳優は、映画や舞台より全国に顔が売れる連ドラに出たがるので、連投や掛け持ちになるんです」

 成田凌が主演の「転職の魔王様」(フジ/関西テレビ制作)のヒロイン・小芝風花は、前クールで主演した「波よ聞いてくれ」(テレ朝)からの連投だ。

「茶髪で弾けたDJを演じていた小芝ですが、黒髪に戻して文字通り転職に勤しんでいます。『転職の魔王様』の初回5・4%は、天海祐希が主演の前クール『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』の初回9・3%、平均7・8%から大きく下げました。やはり、前作のイメージが抜けないうちの連投は、視聴者を混乱させてしまうということでしょう」

主役の連投も

「トリリオンゲーム」(TBS)の今田美桜も「ラストマン」からの連投だ。

「連ドラ単独初主演の目黒蓮と佐野勇斗を相手に、彼らを支配下に置こうとする令嬢役が今田です。もっとも、前クールの『ラストマン』でも福山雅治と大泉洋を相手にアシスタント役で存在感を放っていたので、役柄は違うとはいえ立ち位置は似ています。初回7・4%はまあまあですが、前クール『ペンディングトレイン』の初回7・6%には及びませんでした」

 主役を連投しているのが坂口健太郎だ。

「前クールの『Dr.チョコレート』(日テレ)では義手の元医師、今クールの『CODE―願いの代償―』(日テレ/読売テレビ制作)では暴力団対策課の刑事と、役柄も違っています。ただ、昨年の大河『鎌倉殿の13人』(NHK)では、6月から半年間、主人公の息子・北条泰時を演じた上、7月期には『競争の番人』(フジ)に主演しています。そろそろ間を開けてもいい頃かもしれません。『CODE』は夏ドラマのトップバッターとして7月2日にスタートしましたが、初回6・1%から5・4%、4・9%と下がり続けています」

 低視聴率ばかりかと思えば、2桁を狙えそうなドラマもある。

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