花巻東・佐々木麟太郎だけではない…IWATEがドミニカ、ベネズエラ並みにメジャースカウトから注目されているのはなぜか

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米スカウトがIWATEに注目する真の理由

 ここで、前出のア・リーグ中部地区チームのスカウトにちょっと意地悪な質問もしてみた。日米協定で相手国のドラフト候補選手は、自国のドラフト会議で指名できないことになっている。お目当ての選手がいても、日本のプロ野球チームを経由し、ポスティングシステムで米球界と交渉できるのは10年くらい先の話になる。

 指名できないIWATEの高校球児を熱心に追い掛ける本当の目的は何か。

「18歳以下の指導について勉強になることも多いですし、大谷、佐々木朗希らはどんな野球環境で育ったのかを知りたくて…」(同スカウト)

 本当にそれだけだろうか。仮に佐々木麟太郎がそう遠くない将来、メジャーリーグに挑戦するとなった場合、「高校時代から追い掛けていた」というのは強いアピールポイントにもなるはずだ。しかし、NPB在京球団スタッフがこう言う。

「お目当ての選手のより詳しいデータ資料を作成する目的もあるでしょう。視察と同時に、学校側とはもちろん、日本球界のスカウト、関係者とも信頼関係を構築し、NPBの指名先の球団とも仲良くなっておきたいからです。お目当ての選手がポスティングシステムで米球界に挑戦するときがきたら、自分たちの球団がほかの米球団よりも優位な交渉ができるように」

 佐々木麟太郎のパワーに「アメリカの18歳でもこんなにはホームランを量産できない」と米スカウトたちは驚いていた。彼らはこれからもIWATEから目が離せないだろう。

デイリー新潮編集部

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