屈辱の9連敗…ソフトバンク・藤本監督は今季限りか? 来季「生き残る監督」と「クビになりそうな監督」
このままでは“退任が濃厚”な監督も
逆に、このままの成績であれば退任が濃厚と見られているのが楽天の石井一久監督だ。今年はゼネラルマネージャー(GM)職からは離れ、監督に専念して巻き返しを期したが、ここまで上位争いに加わることはできていない。前半戦の終盤にようやくチームの状態は上向いてきたが、それでも昨年の成績を上回る可能性は低いだろう。そして、そんな成績以上に大きな問題があるという。
「深刻なのは観客動員数です。今年から声出し応援が解禁になるなど、あらゆる制限がなくなってどの球団も観客動員数が増えているのですが、楽天だけが戻ってきていません。東北のファンは関西の阪神ファンのように負けが込んでも強烈なヤジなどはありませんが、静かにチームから離れていっていると言われています。ここ数年は大型補強で期待が大きかっただけに、その反動も大きいのではないでしょうか。親会社の楽天は、携帯電話事業の不振で苦しい中で、(楽天)野球団も成績だけではなく集客力も弱いとなれば、当然、石井監督の責任問題となります。よほどのことがなければ、今季限りで退任となるのではないでしょうか」(在京スポーツ紙記者)
コロナ禍前の2019年、楽天のホームゲームは1試合平均2万5000人以上を記録していたが、今シーズンは1万8000人台にとどまっており、これは12球団でワーストの数字となっている。経営的にシビアな判断をする球団だけに、選手獲得で多額の投資をしても回収できないとなれば、現場トップの監督を交代すべきという結論になるのも不思議はないだろう。
球団史上初の「3カード連続3連敗」
ここまでは下位に沈む球団の監督について紹介したが、上位の球団でもその座が危ない監督は存在している。それはソフトバンクの藤本博史監督だ。就任1年目の昨年はシーズン最終盤にオリックスに逆転されて2位となり、今年もここまで上位争いには加わっているものの、前半戦終盤に球団史上初となる「3カード連続3連敗」で、屈辱の9連敗を喫するなど、オリックスとロッテの後塵を拝している。
昨年オフには“異次元”と言われた大型補強を敢行し、ダントツの優勝候補に推されていただけに、前半戦のこの成績には納得していないファンも多いだろう。もちろんここから優勝、日本一となれば続投という話も出てくると思われるが、それを逃すようであれば2年契約の2年目ということもあって、退任の可能性は高くなりそうだ。
チーム強化については以前と比べて分業化が進み、球団全体で取り組むべき問題は多くなっていることは確かだが、それでも現場の責任者である監督の手腕によって勝敗が左右される部分はやはり大きいことは間違いない。下位に沈むチーム、また優勝を期待されたチームの監督が残りのシーズンでどのようにチームを指揮していくのか、引き続き、注目してもらいたい。
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