屈辱の9連敗…ソフトバンク・藤本監督は今季限りか? 来季「生き残る監督」と「クビになりそうな監督」
成績低迷でも続投が決定的な2人
前半戦が終了したプロ野球のペナントレース。セ・パ両リーグとも上位と下位の差が大きく開いており、既にAクラス入りが厳しい球団も少なくない。そうなると後半戦から話題にのぼるのが来季にむけての動きだ。チームの“顔”と言える監督人事についても、水面下ではあらゆる動きが出てくることが予想される。特に、下位に沈む球団は「監督を交代すべき」という声が球団内外から多く出てくるが、果たして来季も継続して監督を務めることができるのは誰になるのだろうか。【西尾典文/野球ライター】
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下位の球団で続投が決定的と見られるのが、ヤクルトの高津臣吾監督と西武の松井稼頭央監督だ。高津監督は低迷していたチームをリーグ連覇に導き、昨シーズンの途中で今季から2年契約を結んでいる。もちろん契約途中で退任するケースもあるが、ここ数年の実績を見てもそれは考えづらい。戦力的に決して充実しているとは言えない中でも結果を残した手腕に対する評価は高く、後半戦、そして来季に向けての巻き返しに期待がかかる。
松井監督就任1年目の西武も昨年の3位から大きく順位を落としているが、こちらも2年契約ということもあって来季も指揮を執る可能性が極めて高い。チーム事情を見ても昨年オフに攻守の要だった森友哉(現・オリックス)がフリー・エージェント(FA)で移籍し、主砲の山川穂高が自身の不祥事で長期離脱となるなど戦力ダウンが著しく、監督の手腕以前の問題という印象を受ける。球団としても生え抜きのスターが監督の間に結果を出したいという気持ちは強いはずで、監督人事以外の部分で手を打ってくる可能性が高いだろう。
立浪、新庄両監督の意外な評価
ともに2年目も苦しいシーズンとなっているのが、中日の立浪和義監督と日本ハムの新庄剛志監督だが、こちらも続投という声が多い。まず立浪監督は3年契約を結んでいることが大きい。主力選手をトレードで放出し、課題の長打力不足も解消の兆しが見られず、その手腕を疑問視する声も多いが、ここへ来て現役ドラフトで獲得した細川成也、4年目の石川昂弥にブレイクの兆しが見られており、若手の底上げは進んでいるという見方ができる。
立浪監督自身もチームを変えようという意識は強いと言われており、最終的に2年連続で最下位になったとしても、最後まで任期を全うすることになりそうだ。
新庄監督はこれまでの3人とは違い単年契約で、今年は日本一を目指すと明言しながらもBクラスに沈んでいるが、確実にチームは変わってきているという声があることも確かだ。特に実績のなかった選手を多く引き上げていることに対しての評価は高い。
「監督に就任した当時は話題作りのパフォーマンスが多かったですが、それもチームに注目を集めるためだったと言われています。今年は野球以外に関する話題の提供は少なくなり、徐々に選手に注目が集まるようになってきました。現在ホームラン王の万波中正などの若手を抜擢して成長させ、(ソフトバンクにFAで移籍した)近藤健介の人的補償で加入した田中正義が抑えに定着するなど、上手くチーム力を底上げしていることは球団内でも評価されていると思いますね。気まぐれな面があるので、突然今季限りで退任すると言い出す可能性が否定できませんが、新庄監督自身も手応えを感じているはずで、来年も勝負したいという気持ちは強いのではないでしょうか」(日本ハムの球団関係者)
エースの上沢直之がメジャー移籍を希望しており、加藤貴之も国内FA権を取得見込みだけに彼らの去就によってチーム力は大きく変わりそうだが、今年はリーグトップのチーム防御率をマークするなど投手陣の整備も進んでいる。また評論家の中にも日本ハムの監督をやりたいという声が出ており、それだけ将来が楽しみなチームになっていることは間違いないだろう。
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