見た目はギャルでも中身は女子アナ? 報道MC初挑戦のみちょぱに見る「賢さ」の正体
「コメントの薄さ」と「賢さ」は表裏一体 「おじさん」に愛されるバランス感覚と冷静さ
みちょぱさんの人気の理由は、「ギャルなのに賢い」という言葉に集約されている。ただ、彼女を語る時に使われる「賢さ」は、学歴や知識量ということではない。その場の立ち回りや如才なさを指していると言うと納得する人も多いのではないだろうか。
だから彼女は、大物「おじさん」MCたちと実に相性がいい。コメンテーターとして起用されていたのは、加藤浩次さんの「スッキリ」に、宮根誠司さんの「ミヤネ屋」、爆笑問題の「サンデージャポン」。有吉弘行さんにかわいがられていることは有名だし、婚姻届の証人は浜田雅功さんにお願いしたそうだ。
そういう意味でみちょぱは、見た目はギャルだが中身は女子アナ的なポジションを全うしてきたといえるのではないだろうか。メイン男性を持ち上げつつ、時折「おじさん」としてあしらい、基本はにこにこと座っている。そしてズバッと斬りこむ、世間で話題になるような見せ場や発言はMCにまかせる。権威欲や承認欲求の強い男性にとって、これほどありがたい共演者は女子アナ以外のタレントでそうはいないだろう。
みちょぱの発言を振り返ってみると、気取らない口調で「悪ふざけ」「時代遅れ」などキャッチーなワードを使って、きちんと「ギャルとして求められている姿」を見せている。しかしコメントの中身は、犯罪に対しても「いろんな可能性がある」「切り取りはよくない」など、断定する言い方を避けていた。また批判するにしても、「時代に合ってない」「誰もが怒るのはわかる」など、自分を主語にしない。
こうした言葉の選び方が、視聴者にとってはどっちつかずでコメントが薄いという印象を与えるのだと思う。ただそれは彼女が評価されてきた、冷静に状況を判断するバランス感覚の表れとも感じさせるのである。
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