「ビッグモーター」不正問題 「佐藤隆太」CM解除成立でも残る損害賠償請求の現実味

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損害賠償請求の可能性

 ケイファクトリーは契約や協議の内容について「答えられない」と回答したが、タレント側から契約上、解除できないケースだと次のような事態も起こり得るという。

「途中解除に際して違約金を払う、あるいは契約金の返還を求められるケースもあります。ただし今回は明らかにビッグモーター側に“非”があるため、佐藤氏サイドに経済的負担が生じた可能性は低いでしょう」(加藤氏)

 佐藤のギャラについては一部で「年4000万円以上」とも報道されたが、それより契約を継続してイメージが悪化する“損失”のほうが大きいと判断したと見られる。

 実際、次々と明らかになるビッグモーターの不正の手口には「悪質だ」と批判の声が日に日に高まっている。ドライバーやサンドペーパーを使うだけでなく、ゴルフボールを靴下に入れて振り回し、車をわざと損傷させるなどして、自動車保険の保険金を水増し請求。これまでに少なくとも1275件、請求金額にして4995万円分の不正請求が確認されたという。

 そのため今後、佐藤側がビッグモーターに対して損害賠償請求を起こす可能性が取り沙汰されている。

「法律的には佐藤さんが賠償請求することは可能ですが、実現に向けたハードルは契約解除よりも格段に上がります。まずビッグモーターの不正発覚によって佐藤さん側に生じた損害額を具体的に算定する必要が出てくる。次にビッグモーターの不正を事前に見抜くことは不可能だったとして、佐藤さんが“純粋な被害者”である点も立証しなければなりません。どちらも簡単な作業ではないため、類似のケースでは解除合意へ至る際に“今後、損害賠償請求はしない”といった条件を付すケースもあります」(加藤氏)

「万事解決」となったかは、まだ見通せないようだ。

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