WBC監督“たらい回し”で「誰より日本を愛する」候補者浮上 工藤でも由伸でも井端でもない巨人OBからの“史上初の人選”とは

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WBC監督は巨人OBで大卒が条件?

 前出の球界関係者がこう指摘する。

「WBCの日本ラウンドは読売新聞主催で、これまで巨人OBから代表監督を多く選出してきた。第1回の王(貞治)さん以外は大卒というのも共通点で、選手やコーチを含めたチーム編成の際に、大学球界出身者を入れた幅広い候補者の中からの人選が可能になっていた。巨人OBか大卒か、そのいずれか、または両方を満たすのが工藤、古田、高橋の3氏なのだが……」

 工藤氏は21年まで指揮を執ったソフトバンクでの再登板が視野に入ってきたとされる。

「ソフトバンクは日本ハムからの近藤(健介)のFA補強を筆頭に、チーム強化に巨費を投じたのに(前半戦を9連敗で終えるなど)覇権奪回がおぼつかない。内部では藤本(博史)監督への不満が噴出し、V逸なら2年契約が切れる今オフ限りでの退任は濃厚。来季監督には7年間で5度日本一になった工藤待望論が出ており、小久保(裕紀)2軍監督らとともに候補に挙がってくる」(元NPB球団監督)

 工藤氏は巨人でも「ポスト原」の一人に挙がる。

「生え抜きではないが、巨人監督はエースか4番との球団の不文律には沿っている。ソフトバンク監督時代に日本シリーズで巨人に立ちはだかっており、現役時代から定評がある勝負強さは評価が高い。本人もどの球団から監督就任要請があってもいいように、身を空けておきたいようだ」(同前)

軒並みNPB監督と両てんびん

 巨人の次期監督候補という点では、工藤氏より高橋氏の線が濃い。

「前回の監督就任時は球団が無理をいって現役を辞めさせているだけに、負い目がある。もう一度チャンスを与えようとするだろう。阿部(慎之助ヘッドコーチ)が先かどうかは流動的だが、再登板は大前提だけに、本人が代表監督への就任に後ろ向きになるのも無理はない。それに代表監督で結果を出せなければ、巨人監督で不振だっただけに、監督の資質を問われかねない。そうなると、将来的な巨人監督復帰は絶望的になる。二重の意味で代表監督は引き受けられないのではないか」(同)

 同じく候補に挙がった日本ハムの稲葉篤紀ゼネラルマネジャー(50)、井端弘和氏(48)もそれぞれの古巣である日本ハム、中日で監督の芽がある。工藤、高橋両氏と同様の理由で代表監督には消極的のようだ。

 一方、古田氏はやや事情を異にする。今年のWBC決勝では大谷がエンゼルスの同僚マイク・トラウトから空振り三振を奪って日米決戦を制した。筋書きでもあったかのような劇的なフィナーレだった。前出の元NPB球団監督が古田氏の心中を推察する。

「これ以上の勝ち方はないと思っているのではないか。たとえ大谷らメジャーリーガーの招集に成功しても優勝しなければ、『負けた監督』という評価しか残らない。次回のWBCで日本は善戦では許されないほど、栗山前監督がハードルを上げた。巨額な報酬が保証されるわけでもなく、名誉職の意味合いが強い代表の首脳陣は過去にも腰を引く面々が多かった。特に今回は火中の栗を拾う構図に近く、古田なら冷静に損得勘定しているはず」

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