【藤浪晋太郎】電撃移籍にみる「オリオールズ」と「アスレチックス」の本心 「リードしている試合は任せられない」という根拠

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「求められてのトレードなら、凄いことでは?」──今のところTwitterでは、こんな意見が多いようだ。日刊スポーツは7月20日、「藤浪晋太郎が電撃トレード決定 アスレチックスから首位オリオールズに移籍 7月防御率2.25」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。

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 昨年10月、阪神の投手・藤浪晋太郎(29)がポスティングシステムを利用してメジャーリーグ(MLB)への挑戦を表明。今年1月にオークランド・アスレチックスへの移籍が発表されると、年俸約4億2000万円という金額に驚きの声が上がった。

 開幕当初は阪神時代と同様、制球難に苦しみ、死球や四球を連発。ランナーがたまったところを打たれるケースも多く、5月下旬には防御率が12・62とメジャーワーストを記録した。

 6月20日から11試合連続無四球を続けるなどコントロールは改善されたと評価する声もあり、日刊スポーツは先の記事で《中継ぎに配置転換されてから(制球)は徐々に安定》と報じた。とはいえ、7月20日現在(以下同)の防御率は8・57と依然として悪い。

 藤浪が移籍するボルチモア・オリオールズは58勝37敗、勝率6割1分1厘でア・リーグ東地区の首位を走る。ただし、2位のタンパベイ・レイズは60勝39敗、勝率6割0分6厘と肉薄しており、ゲーム差は0だ。

 日刊スポーツはトレードが成立した背景として、《強豪ぞろいのア・リーグ東地区で19日に今季初めて単独首位に浮上したオリオールズが、中継ぎ右腕として白羽の矢を立てた》と報じた。しかし、防御率が8点台の投手に、そんな評価を下すのだろうか?

打ち勝つチーム

 MLB研究家の友成那智氏は「注目したいのは、今回のトレードで藤浪投手の代わりにアスレチックスが獲得することになった選手です」と言う。オリオールズの3Aに所属していた投手のイーストン・ルーカス(26)のことだ。

「アスレチックスというチームは、見向きもされなかった選手を発掘してメジャーリーガーに育てた実績が豊富です。ルーカス投手も“ダイヤの原石”なのかもしれませんが、少なくとも私にはピンとくるものはありませんでした。こうしたことから考えると、やはりアスレチックスは、藤浪投手の放出を最優先にしたと見るべきではないでしょうか」

 捨てる神あれば拾う神あり──ならばオリオールズは、どんな点を評価して藤浪を獲得したのだろうか。

「オリオールズのチーム得点は473点で、これはMLB30球団の中で9位です。一方、チーム失点の426点、防御率の4・22は16位になっています。つまり今季のオリオールズは、基本的に打ち勝つチームなのです。実際、ゲーム中盤まで2、3点差で負けていても、後半で逆転して中継ぎが勝利投手になる試合が少なくありません」(同・友成氏)

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