直木賞で脚光を浴びた「足利尊氏」は、本当に「やる気なし、使命感なし、執着なし」だったのか? 人気歴史学者が考察する「実像」
7月19日に第169回直木三十五賞が発表され、垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』(文藝春秋刊)が受賞作となりました。
室町幕府の初代将軍・足利尊氏を描いた同書の帯には、「やる気なし、使命感なし、執着なし」「なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?」というコピーが書かれています。
はたして、足利尊氏とは実際はどのような人物だったのか。人気歴史学者・呉座勇一さんの著書『武士とは何か』(新潮選書)から、一部を再編集してお届けします。...