人気は横須賀刑務支所のブルースティックだけじゃない…刑務所作業製品の売れ行きランキング 富山刑務所では346万円の神輿も

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千葉刑務所の革靴

 インターネット上ではCAPICのカタログも公開されている。閲覧するとトートバッグ(横浜)、本革レザーリュック(大阪)、積み木(横浜)など、商品ラインナップの豊富さには驚かされる。

 伝統工芸品を作っている刑務所も多い。カタログには「刑務所の中で受刑者が伝統の技を守り続けているという側面もあると言えます」と興味深い記述がある。津軽塗(青森)、七宝焼(岐阜県・笠松)、備前焼(岡山)、萩焼(山口)などが紹介されている。

 さらに、富山刑務所は神輿の受注制作と修理を請け負っている。カタログに載っているもので最も高額なのは「神輿 けやき2尺」で346万円だ。“素人”には高いのか安いのか分からないが、CAPICの目的を考えれば安価なのだろう。

 TBS NEWS DIGが7月13日に配信した「強制捜査の朝、特捜検事が履いていた靴は“塀の中”製の逸品だった…『刑務所作業製品』のこと、知っていますか」は、TBSの「THE TIME,」のプロデューサーで元検察担当記者・岩花光氏の署名記事だ。

 その中に、短い期間ではなかなか技術継承ができない高いスキルを求められる製品は、無期懲役など刑期が長い受刑者が収容されている刑務所で製造されているという記述がある。具体例として千葉刑務所の「オーダーメード紳士用革靴」が挙げられている。

 もちろん記事タイトルは、東京地検特捜部の検事が強制捜査に着手する際、千葉刑務所の革靴を履いていた、というエピソードに由来している。

コロナ禍の影響

 ここ数年、CAPICの売上は落ち込んでいる。コロナ禍で展示即売会が開けなかったのが最大の原因だ。

「やっとコロナ禍が落ち着いてきたので、今後はまず展示即売会の開催に注力します。また、無駄に在庫を抱えても意味がありませんから、古くなってしまったり、傷がついたりした製品は、積極的に割引販売を行うつもりです。また、若い人は『CAPICなんて知らない』という方が多いので、TwitterやFacebookなどのSNS、さらにYouTubeでの情報発信に力を入れています。商品開発でも大学や学生さんとコラボして、若いみなさんの企画やデザインを商品に取り入れる動きも始まっています」

 TwitterにCAPICと入力して検索してみると、北海道の月形刑務所「Capic月形」のツイートが表示された。9月2日に「月形刑務所矯正展」が開かれ、CAPICの展示即売会も行われるのだが、4年ぶりの開催なのだという。

デイリー新潮編集部

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