人気は横須賀刑務支所のブルースティックだけじゃない…刑務所作業製品の売れ行きランキング 富山刑務所では346万円の神輿も
人気商品ベスト5
矯正協会の刑務作業協力事業部に、CAPICの人気商品ベスト5を教えてもらった。もちろん1位は、横須賀刑務支所のブルースティックだ。
「2位は横浜刑務所の細うどんです。厳選されたオーストラリア産小麦粉を使用し、赤穂の塩で作った食塩水で丹念にこね、ゆっくり乾燥させました。3位は千葉県・市原刑務所の菌床乾燥椎茸です。刑務所の中で肉厚の椎茸を栽培し、それを乾燥させたものです。4位は秋田刑務所のまな板で、桐を使っているので軽いところが人気です。そして5位は長野刑務所の蕎麦殻枕になります」
気になる価格だが、1位のブルースティックは3個セットで400円(税込、以下同)。2位の細うどんは20袋のセットで3200円。
3位の乾燥椎茸は、スライスタイプが200グラムで1550円、ダシ専用の軸足のみは200グラムで450円、2つセットが2000円だ。
4位のまな板は990円。5位の蕎麦殻枕は大が915円、小が640円、特小が605円となっている(註:公式Facebookに記載された価格)。
大型家具がランク外になっていることや、うどんと椎茸という食品が2つもランクインしていることに驚いた方もいるだろう。
アウトドア用品
「大型家具が売れなくなったのは、住宅環境が変化したからです。昔は広い家に住んでいる方が多かったのでニーズがありましたが、今は都市部でコンパクトなマンションに住んでおられる方も少なくありません。また、食品を作っている刑務所は全国に3つしかありません。横浜刑務所は細うどんだけでなく、ひやむぎ、中華麺、干し平麺と、合計4種類の乾麺を作っています。残りの2つは市原刑務所の椎茸と鹿児島刑務所の紅茶です」(同・事業部)
刑務作業では商品企画のコンクールを開催するなど新商品の開発に力を入れてきた。例えば、人気の「マル獄シリーズ」は函館少年刑務所の作業専門官が提案し、2002年から制作・販売がスタートした。「マル獄」のロゴが印象的な前掛けなどが人気だ。
「最近はキャンプブームですから、アウトドア用品の製造にも力を入れています。バーベキューコンロは山梨県の甲府刑務所、鹿児島刑務所、北海道の旭川刑務所などで作っています。ソロキャンプの需要を見込んで小さな1人用のコンロを製造している刑務所もあります」(同・事業部)
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