【棋聖戦】藤井七冠が防衛 あきらめが早い棋士ではない佐々木七段があっさり投了したのはなぜか

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 将棋の棋聖戦五番勝負(主催・産経新聞ほか)の第4局が、7月18日、新潟県新潟市の「高志(こし)の宿 高島屋」で開催された。藤井聡太七冠(20)は佐々木大地七段(28)に84手という短手数で勝利。対戦成績を3勝1敗とし、4連覇となるタイトル防衛を達成、史上初の全八冠制覇に向けて前進した。【粟野仁雄/ジャーナリスト】

「永世タイトル」が現実味

 棋聖とは囲碁や将棋の天才に与えられた称号である。明治から昭和初期に活躍した十三世名人・関根金次郎(1868~1946)が、江戸時代の不世出の天才棋士・天野宗歩(1816~1859)に贈ったのが最初だとされる。

 産経杯を起源に持つ棋聖戦は1962年に始まり、60年以上の伝統がある。将棋のタイトル戦の中では唯一、年2回の開催だったが、95年から1回になった。

 棋聖位は通算5期以上で永世の資格が与えられる。永世棋聖は過去に、大山康晴(1923~1992)、中原誠(75)、米長邦雄(1943~2012)、羽生善治九段(52)、佐藤康光九段(53)の5人。藤井は3年前の2020年7月に渡辺明九段(39)から棋聖位を奪取、彼にとっての初のタイトルだ。1年後には早くも永世資格が現実味を帯びて来るとは、驚くしかない。

 さらに、藤井はタイトル戦の連勝記録を16期とし、大山の17期に次いで2位に食い込んだ。通算のタイトル獲得期はこれで16期となった。ちなみ上位の6人は、羽生の99期、大山の80期、中原の64期、渡辺の31期、谷川浩司(61)の27期である。

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