24年の米大統領選はケネディJr.とトランプの戦いになるか 両者の主張に驚くほどの共通点

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不安要素はバイデン氏の年齢…侮れない「ケネディ旋風」

 ハース氏は「自分はトランプ前大統領に協力していたが、間違いをおかした。大統領就任によりトランプ氏は穏健になると予想されていたが、以前よりさらに過激になった」と後悔の念を示している。バイデン政権についても「(トランプ前政権と同様)過去の政治的慣習を守っていない」と批判的だ。

 ハース氏は、米国民が自国の民主主義の問題点を認識し、これを正すための対話が盛り上がることに期待を寄せているが、米国の現状をかんがみると悲観的にならざるを得ない。

 米国では次期大統領選に向けた前哨戦が始まっており、現時点ではバイデン氏とトランプ氏の再戦の可能性が最も高くなっている。

 この現状について、米政治学者のイアン・ブレマー氏は「米大統領選、消去法の再対決へ」と題する論説で、「確実なのは24年の米大統領選が見るに堪えない醜悪な戦いとなことだ」と悲観していた(5月25日付日本経済新聞)。だが、この構図に異変が生じつつある。

 再選を目指す現職の大統領は自ら所属する政党の候補に選ばれる可能性が高いはずなのだが、多くの有権者はバイデン氏が高齢過ぎることを不安視している。「不安」の受け皿として注目されるようになったのは、今年4月に出馬表明をしたロバート・F・ケネディ・ジュニア氏(69)だ。

 ケネディ氏はジョン・F・ケネディ元大統領の甥、ロバート・ケネディ元司法長官の息子だ。ケネディ家は今も米国市民から敬慕され、特に、民主党内の人気は高い。政治経験はないが、その知名度から「いずれは政界入りする」と噂されていた。

 ケネディ氏は各種世論調査で2桁の高い支持率を集めており、全米で最初に民主党の予備選が実施される予定のニューハンプシャー州ではトップに立っている。

 現段階では「泡沫候補」扱いのようだが、筆者は「『ケネディ旋風』を侮ってはならない」と考えている。注目すべきは、ケネディ氏の主張がトランプ氏とほとんど変わらないことだ。

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