電気代は高い、熱中症も心配…暑すぎる夜、エアコンをどう設定して寝ればよいのか、ダイキンに訊いた
風向きの重要性
エアコンを設定温度28℃で運転した場合、「室内が28度に冷えた」と判断すると、それ以上は温度を下げる必要がないため、運転を弱める。ところが外は夜でも猛暑だ。2019年の東京は、その日の最低気温が25度を上回る「熱帯夜」が合計で28日も記録された。
「窓などから外の熱が部屋に侵入するため、エアコンが運転を弱めている間は、室温は徐々に上がっていきます。そして室温が設定温度以上になってくると、エアコンは再び『室内を再び28度に下げよう』と運転を強めます。室温が設定温度を超えたタイミングには、『28度に設定したはずなのに暑い』と感じてしまう方もいるでしょう。室温28度程度をキープするためには、28度よりも低めの温度設定にした方が良い場合もあります 」(同・担当者)
「冷房病」という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。正式な医学用語ではなく、厳密な定義は存在しない。冷房を浴びると、体の冷え、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振などの症状が出ることを指す。
「医学的見地からのお話はできませんが、エアコンの風向きをチェックされると改善するかもしれません。エアコンで上下の風向きは『フラップ』と呼ばれる風向板で調整しますが、これを『斜め下』にしている方もおられると思います。この場合、冷風が体を直撃しているケースもあり、体が冷えてしまっているかもしれません」(同・担当者)
「冷房」と「ドライ」
冷房病対策だけでなく適切な室温を実現するため、さらに電気代対策としても、「フラップ」を水平にするのが重要だという。
「暖かい空気は上昇し、冷えた空気は下降する性質があるため、冷房の効いた室内は“温度ムラ”が発生しやすくなっています。エアコンの温度センサーは室内機に付いているため、天井に暖かい空気が溜まっていると、エアコンは室内がまだ設定温度に到達していないと判断し、必要以上に運転してしまう場合があります。“温度ムラ”の抑制は、こうしたムダな運転を抑えることにもつながります。風向を水平にし、さらにエアコンの向かい側にサーキュレーターや空気清浄機を置いて、天井に向けて斜め上に送風すると、室内の空気が撹拌されて“温度ムラ”が抑えられます」(同・担当者)
エアコンのリモコンには「冷房」だけでなく「除湿」や「ドライ」というボタンもある。使い方が分からない人も多いだろう。
「まず、温度も湿度も高い日には冷房運転をおすすめします。それほど室温は高くないけれど湿度を下げたい場合には、除湿機能がおすすめです。除湿運転の方式には、いくつか種類があります。室温をある程度低下させながら除湿する方式の場合、気温が低い日には肌寒く感じることがあるかもしれません。一方、高性能な機種の除湿運転では、室温と湿度を設定できるものもあります。この場合は、室温が28度になるような温度に設定し、さらに湿度を50%~60%に設定するのがおすすめです」(同・担当者)
註1:電気料金 大手電力7社 きょうから値上げ 最大で2700円余値上げ(NHK NEWS WEB:6月1日)
註2:夜こそ気をつけたい!「睡眠中の熱中症」とその対策(寝具メーカー「西川」の公式サイト)