コンビニ化する「郵便局」が精米所、古着回収、婚活まで…… 続々登場“新サービス”の裏にある「郵便局多すぎる」問題

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「婚活サービス」

 一度は頓挫したものの、“復活”の動きを見せる新規事業もあるとか。

「数年前に特定郵便局長の発案で“婚活サービス”ができないかと社内で検討されたことがあった。一から事業を立ち上げると時間がかかるが、既存の事業者を買収すれば“すぐにも乗り出せる”と話は進んでいった。郵便局を頻繁に利用するのは50代以上が中心で、孫や子供らの結婚のためならお金を惜しまない人は多くいる。局内に婚活パンフレットを置くだけでも“効果大”との声は多かったが、買収資金の算段などもあって結局、実現しなかった」(同)

 最近、局長同士による集まりの場などで再び、婚活事業への参入案が話題にのぼることが増えているという。

 郵便局が新規事業へ活発に乗り出す背景には“本業”の不振がある。郵便物の引受数はこの10年で2割超減少。背に腹は代えられず、日本郵政は6月に「長年のライバル」だったヤマト運輸とメール便や小型荷物の物流事業で協業すると発表し、業界関係者を驚かせた。

「整理・統廃合」のタイミング

 民営化によって日本郵政が発足したのは2007年。この間、「郵便局は250局程度しか減っていない」(経済紙記者)とされ、日本郵政の増田寛也社長は5月、日本経済新聞のインタビューに応じ、2040年頃をメドに「(郵便局の)整理が必要になる」と語った。

 収益構造の面から見ても、日本郵政グループの純利益4310億円(23年3月期連結決算)のうち、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険が8割超を稼ぎ、日本郵便の影は薄い。

 ゆうちょ銀行の社外取締役を務めた経験もある、経済ジャーナリストの町田徹氏が言う。

「郵政グループ内では以前から“郵便局ネットワークをどう維持していくのか?”が大きな課題として浮上していました。郵便局が新規ビジネスに活路を見いだすのは必然の流れであり、期待もかかる。ただし、これらの取り組みが収益改善など、本質的な生き残り戦略へ繋がるかどうか――。それを見極めるには、さらなる注視が必要です」

“コンビニ化”する郵便局の未来やいかに。

デイリー新潮編集部

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