大谷翔平、出戻り前提の“密約トレード”の現実味 エ軍と「あうん」で“レンタル移籍”、ヤンキースに前例
ヤンキース、ドジャースなどが移籍先候補
大谷の「レンタル先」にはFAによる移籍先で最有力と目されるドジャースのほか、ヤンキース、レンジャーズなどが候補に挙がる。いずれも地区首位やプレーオフ進出を争う強豪球団が対象で、ワールドシリーズで頂点に立つため、投打でメジャートップクラスの力を持つ大谷にニーズがある球団だ。
「大谷を獲得した球団はプロスペクト(若手有望株)の大量放出や、大谷がDHを独占することで他選手にDHを使えなくなるなどのマイナス面はあるものの、今季の世界一を目指す上では大谷は投打で極めて大きな戦力となる。特に、3月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)のアメリカとの決勝で見せたクローザーとしての登板は、そのままワールドシリーズで王手がかかった試合など、ポストシーズンでの大一番に置き換えられる。あの決勝はメジャー各球団に対し、大谷の希少価値をさらに高めることになった。大谷も望んでいた“ひりひりした9月”、そして初めてのポストシーズンを経験できる」(同前)
かわいい子には旅?
ただ、大谷が移籍先の球団で二刀流のプレースタイルがフィットするなどすれば、FAでそのまま再契約に至り、エンゼルスには二度と戻ってこないかもしれない。
前出の代理人はその防御策を含め、こう指摘する。
「大谷はカリフォルニアの気候が、過酷な二刀流には最適だと捉えているようだ。慣れ親しんだエンゼルスで世界一を目指すのがベストには違いない。それでも、短期間でも他球団の空気を吸うことはFAとなるオフの移籍先の結論を出すに当たって、視野を広げるという意味でも悪い話ではない。本来、トレードは球団主導だが、大谷の場合は特別。大谷の希望をくみながらア・リーグ球団へのトレードに限定するなどすれば、ホームラン王などタイトル、MVP争いもリセットされない。オフには改めて大谷との再契約交渉に臨めばいい。大谷自身も一度、外からエンゼルスを見ることで、エンゼルスの居心地の良さを再確認することもあるだろう。両者合意の上での円満なトレードなら逆に再契約の可能性を高めるかもしれない」
トレード期限まで7月18日で、ちょうど2週間。残留か、移籍か。そして移籍なら再契約が前提にあるのか。日米の球界関係者、そしてファンは大谷の動向を日々、固唾を飲んで見守ることになる。
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