大谷翔平、出戻り前提の“密約トレード”の現実味 エ軍と「あうん」で“レンタル移籍”、ヤンキースに前例
Xデーは長期遠征前の“7月24日”?
米大リーグでは、8月1日(日本時間同2日)のトレード期限を控え、エンゼルスの失速が顕著で、今オフにフリーエージェント(FA)となる大谷翔平(29)の放出が取り沙汰されている。プレーオフ争いをしていた時期は下火になっていたトレード報道が、ここに来て再燃。それでも、米球界関係者では依然、トレード「否定派」が多数を占める中で、大谷の去就に新たな選択肢が囁かれている。
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エンゼルスは7月16日のアストロズ戦で終盤に4点リードを守れず、痛恨の逆転負けを喫した。本塁打王争いを独走する大谷の奮闘むなしく、チームはオールスター戦後も上昇の兆しはなく、ア・リーグ西地区で首位レンジャーズに大きく水をあけられ、上位3チームが獲得するワイルドカードでのプレーオフ進出争いでも危険水域に突入。主砲マイク・トラウトは左手の有鉤骨骨折のため長期離脱中で、トレード期限までにチーム力アップの望みは薄く、さらに負けが込む危険性をはらむ。エンゼルスの9年ぶりのプレーオフ進出が危うくなっている現状に、米メディアからは大谷のトレードの可能性を否定しない観測が出てきた。
エンゼルスの18日からのヤンキース3連戦、21日からのパイレーツ3連戦はいずれも本拠地エンゼルスタジアム開催で、興行的に大谷は欠かせない。25日からは長期遠征に出発し、本拠地に戻ってくるのはトレード期限が過ぎた8月3日。動きがあるとすれば、試合がない7月24日か。一部の大手メディアは、期限ぎりぎりの日とともに、この日をトレードの“Xデー”として最大級の警戒をする。
チャプマンが史上最高額でヤンキース“出戻り”の過去
しかし、さる米大手マネジメント会社の代理人によると、トレードがあったとしても“片道切符”ではないという。
「エンゼルスは大谷に対し、集客やグッズ販売への貢献度だけではなく、球団のブランドイメージ向上にも多大なる貢献を認めている。今季の年俸3000万ドル(約42億円)以上の、有形無形の利益をもたらしていることに異論の余地はない。大谷移籍によるファン離れの懸念もあり、たとえFAで再契約の望みが薄く、8、9月の2ヵ月しか抱えられないと覚悟していたとしても大谷はトレードしないだろう。あるとすれば、たった一つ、FAでの再契約を目指す方針を、大谷サイドに示した上で、ポストシーズンを含めれば最大で3ヵ月、他球団でプレーさせることだ」
前例がある。
2016年7月下旬、ヤンキースはMLBを代表するクローザーだった「人類最速の左腕」アルディロス・チャプマンをカブスにトレードし、見返りに複数の若手有望株を獲得した。チャプマンは新天地で抑えとしてチームの108年ぶりのワールドシリーズ制覇を経験。カブスの「ヤギの呪い」を解いたメンバーの一員となった。
ところが同年オフ、5年総額8600万ドル(当時のレートで約98億円)、リリーフとしては史上最高額でヤンキースへの出戻りを果たした。
「形としてはカブスの世界一のための、サッカーでいうレンタル移籍になった。結果的にヤンキースは翌年からチャプマンを確保した上に、若手選手たちの加入により中長期的な補強に成功した。大谷でも同様のことが起こり得るとみている」(同代理人)
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