「破壊王・橋本真也」急逝から18年 数百万円の現金を持ち歩き…関係者が証言する「爆食王伝説」
素顔は極度の寂しがり屋
よく知られるのが豆腐を自作していたことで、良い水が必要とのことでミネラルウォーターを何十本と使った。本人曰く「豆腐1丁、数万円だな……」。出来上がった豆腐は市販のものより固かったとは、前掲のかずみ夫人の弁。
加えて、無類のイタズラ好きでもあった。こちらは挙げるとキリがないので、セミ嫌いで知られた小島聡の新日本道場の個室に、不在時を狙って約200匹のセミを放しておいたという著名な逸話に留めるが、その小島、2015年7月に行われた橋本の10回忌記念興行に出場。
「リングに上がったら、セミが200匹落ちてくるかと思って不安でした」
と、すっかり逞しくなり、報道陣を笑わせた。余談ながら、この時、冒頭で紹介したワンマッチ凱旋時の橋本のさらなる裏話を、武藤が告白してくれた。
「修行先のカナダでファンの少女からサインを求められ、アイツ、女性の秘部を描いたらしいの。その子の母親は大使館の人と知り合いで。問題視されて強制送還。……あれ? この話、有名じゃなかった? 人前で話せることじゃないからな……」
食の話に戻れば、心ならずも最後の晩餐となった店の後――体調不良でかなわなかったが――、実はもう一軒、寄る予定があった。馴染みの横浜市青葉区の焼肉店に予約をしていたという。前出の高島が述懐する。
「食べ始めると、終わらない。お店を深夜3時頃に出て、宿泊先の全日空ホテルに行くのですが、『まさか、お前、帰れると思ってんじゃないだろうな?』。そしてコンビニでツマミやスイーツを大量に買い込む。“え? まだ食うの!?”と(笑)。もちろん付き合いましたよ」
そして、こう続けた。
「極度の寂しがり屋でしたからね。“食”ってのは彼が人と繋がりたい気持ちの表れだったんじゃないかな?」
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