「破壊王・橋本真也」急逝から18年 数百万円の現金を持ち歩き…関係者が証言する「爆食王伝説」
棺のフタが閉まらなかった…
まさにこの時期、筆者は橋本にインタビューを敢行していた。格闘家がおススメするグルメの短期連載で、初回の小川直也は、その格闘ボディの形成に一役買っているのだろう、地元・神奈川県茅ヶ崎市の無農薬&無添加の総菜屋を紹介してくれた。
ところが、次々回に予定されていた橋本のおススメは、なかなか決まらなかった。当方としては、てっきり破壊王弁当や行きつけの焼肉屋でも紹介してくれると思っていたのだが、「小川は何を紹介したの?」と妙に意識していた。ご存知のように、2人は「負けたら即引退」試合まで敢行した因縁深きライバル。そして言うには、「当日、事務所に来てくれ」。
行ってみると、そこにあったのはプロテインとサプリメントだった……。グルメ企画と何度も説明していたので、内心、豪快にズッコけたが、橋本が小川への対抗心からこれをチョイスしたのかと思うと、何とも言えぬプロレスラーらしさも感じた。
ちなみに、この話を前妻のかずみ夫人にしたところ、サプリメントは高血圧を抑えるために摂っていたが、「だったらまず、ポテトチップスを食べるのをやめたら?」とよく進言していたそうだ。「橋本さんにとってポテトチップスは水代わり」という旧知の記者の言葉が思い出される。
なお、亡くなる前夜に行きつけのカフェダイニングで食したのは、カツカレー(大盛り)、たらこスパゲッティ(大盛り)、ウィンナー2皿、サラダ、コーラ3杯。遺体が大きすぎて棺のフタが閉まらず、駆け付けた母校の柔道部の旗で覆われたというのも、何とも橋本らしい。
関係者の次のようなコメントが残っている。
「台風の日にね、『こういう日は大漁になるんです』って(新日本プロレス)道場近くの多摩川で投網するのに付き合わされて。確かに大漁だったけど、獲ったアユ、全部臭くて食えなかった(苦笑)」(越中詩郎)
「ラーメンの番組を観ると、翌朝、『今日は俺が作るから待ってろ』って道場の鍋でずっと鶏ガラを煮込んで……。高級な食材とかもふんだんに使って。結局、出来上がったのが夕方だったんですが、食べたらインスタントラーメンよりマズかった……」(小島聡)
いずれも、橋本の訃報にあたり、思い出を聞いた時のものだ。そう、橋本は自分でも調理する人だった。
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