「破壊王・橋本真也」急逝から18年 数百万円の現金を持ち歩き…関係者が証言する「爆食王伝説」

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闘魂三銃士の初ギャラは3人で10万円

 闘魂三銃士の結成は1988年7月29日。藤波辰爾、木村健悟 、越中詩郎の3人を相手にワンマッチ凱旋し、驚くほどイキのいいファイトで強烈なインパクトを残したのだが、これには裏事情がある。

 試合直前に貰ったギャラが、3人合わせて10万円だったのだ。

 この金額は後に取材した橋本と蝶野から言質がとれており、2人とも「腹が立ったから控室にあったユンケルを何本も飲んで、好き放題、暴れてやった」というところまで一緒だったのが可笑しかった。海外武者修行からの凱旋にあたり、橋本は「わざわざ会社から呼ばれて帰国するわけだから、1人100万円くらいは貰えるかもな」と吹聴していたので、相当なギャラを期待していたのだろう。

「(後年の)橋本さんのセカンドバッグには、何百万円もの現金が無造作に入っていた。現代でこんな人、なかなかいないと思うんですけど」

 と証言してくれたのは、現在は福岡市長を務める高島宗一郎だ。プロレス実況も担当する元アナウンサーであり、地元の九州朝日放送でプロレス番組のMCも務めていた。夜な夜な橋本の飲食に同行する仲となったため、セカンドバックを預かることも多かった。何百万円も入っていたのは、橋本は「食べ始めると周りが見えなくなる」のが理由の一つだったという。

「何でも5人前を頼む(笑)。しかも、ユッケなんて運ばれてきた大皿ごと持ち上げて、一気に喉に流し込みますからね。豚足の表面を焼いたのも大好きで、それを食べ始めるともう止まらない。まだ若手だった棚橋(弘至) や中邑(真輔) とも実況アナとして食事をしたことがあるんですが、彼らにはなりたい体があるから食事もそれに合わせる。橋本さんには、それがなかった(苦笑)」

 思い出されるのは、2001年3月20日にコンビニの「サークルKサンクス」から発売された「破壊王弁当」シリーズだ。通常の4串分のボリュームがある「ジャンボ焼鳥」、1440キロカロリーを誇る「スタミナ弁当」、総重量700グラムオーバーの「勝カレー」。キャッチフレーズは「食った分だけ、働けばいい」(橋本真也)。

 これは売れに売れ、5月22日には第2弾が発売。「爆盛きしめん」はマヨネーズ1本入り、「勝サンド」は重量360グラム、「ダブル・ドーナツ・ツイスト(D.D.T)」は長さ29センチで、パソコンのキーボードを覆い隠した。

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