父親が自死した後、母親は新興宗教に走り…44歳男性の壮絶な生い立ちがその後の人生に与えた大きな影響とは
世間的には、結婚したらもう恋愛をしてはいけないことになっている。それが民事法上、一夫一婦制のルールだから。独身なら何人かと同時につきあってもいいのかといえば、法的な問題はないかもしれないが、世間からの誹りは免れない。交際は1対1が原則なのだ。
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だが、深くは考えないままに12年も「妻と恋人」、ふたりと関係を持っている男性がいる。里田雅充さん(44歳・仮名=以下同)は32歳で結婚したのだが、結婚直前に元カノと再会、それ以来、ずっと「二股」をかけている状態なのだという。
「このまま墓場まで持って行けると思っていたんですけどね」
2ヶ月前に妻にバレた。今は事態が複雑化していると彼は言った。自分のことなのにどこか他人事というか、そんな状態をおもしろがっているように見える。
突然の悲劇
雅充さんは北の大地の生まれだ。父は工場に勤める腕のいい職人、母はパートで働く優しい人だった。3歳違いの妹との4人暮らしは、ある時点までは楽しい思い出に満ちている。
「僕が高校に入学してすぐ、父が自ら命を絶ったんです。その前日、夕食後に父から珍しく学校のことなどを聞かれました。サッカー部に入ったと言ったら『おお、がんばれよ』って。父は学歴がないのを心の隅でコンプレックスに思っていたようでした。『おまえにはできれば大学に行ってほしい』といつも言ってた。だからサッカーだけじゃなくて、勉強もがんばるよと言うと、ニコニコ笑って……。『自分の人生を思い切り生きるんだよ』と、いつになくしみじみ言っていました」
そして朝、母の悲鳴とともに彼は目覚めた。父が居間で自害していたのだ。救急車が来たものの、その場で死亡が確認されたため、すぐに警察がやってきた。
「母も妹もショックのあまり泣くだけでなにもできない。数少ない親戚がやってくるにはまだ時間がかかる。15歳の僕が警察などに対応しました」
慌ただしく時間が過ぎていった。父の遺体が戻り、通夜、葬式と形通りにことが運ばれていく。家族3人がやっとゆっくりできたのは数日後だった。そこではじめて、3人は「いったい何があったんだろう」と言葉を交わしたという。
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