山本由伸に似てきた…オールスター出場、オリ「山下舜平大」が高卒3年目で開花した理由

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一軍デビューは今季開幕戦

 7月17日のソフトバンク戦に勝利し、リーグトップ山本由伸の9勝に次ぐ8勝目をあげたオリックス・バファローズの山下舜平大投手(21)が、選手間投票で1位選出された「マイナビオールスターゲーム2023」(7月19、20日)で着用する特別仕様のスパイクを11日に公開した。ゴールドカラーが配色されたド派手なものだったが、初の晴れ舞台に立つこのオトコには似合いそうな気がする。

 高卒3年目。20年ドラフト会議で1位指名され、今季は160キロ近い速球と、鋭いカーブを武器に、ここまで7勝を稼いでいる。パ・リーグはオリックス、ソフトバンク、ロッテの上位3チームがペナントを争う展開となっているが、オールスターを挟み、後半戦のオリックス躍進のカギを握るのは山下だろう。

「今季の開幕投手にも抜てきされました。エースの山本由伸(24)、宮城大弥(21)がWBCに出場した影響もありますが、開幕戦が一軍初登板という快挙でした」(在阪メディア関係者)

 昨年、チームがペナントレース優勝を果たした後だった。中嶋聡監督(54)はクライマックスシリーズ・ファイナルステージ(以下=CS)に備え、この時期では異例の紅白戦を実施した。そのとき、白組の先発を任されたのが山下で、無失点の好投を見せた。

「ひょっとしたら、秘密兵器として山下もCSか日本シリーズで投げてくるのでは?」

 実際に出場選手登録されたこともあり、周囲は期待していたのだが、残念ながら登板はなかった。その代わりではないだろうが、1軍デビューマウンドは「23年開幕戦」と、さらにインパクトが強いものになった。

「実を言うと、中嶋監督はCS、日本シリーズで投げさせたかったんです。ただ、昨シーズンは腰痛でファーム戦を離れた期間もあったため、大事を取って見送られました」(球団関係者)

 山下は190センチの身長から投げ下ろす剛速球が最大の武器。福岡大大濠高の出身で甲子園には出場していないが、高校3年の福岡県大会には日米9球団が視察に訪れている。その20年のドラフト会議といえば、近大・佐藤輝明(24=阪神)、早大・早川隆久(25=東北楽天)、苫小牧駒大・伊藤大海(25=北海道日本ハム)、トヨタ自動車・栗林良吏(27=広島)、中京大中京高・高橋宏斗(20=中日)など、今日の主力選手がズラリと揃った“当たり年”でもあった。オリックスも1回目の1位入札では佐藤の抽選に加わったが、「1位で指名しなければ獲れない逸材」とも評されていた。

「長身から投げ下ろすボールの角度、スピードはもちろんですが、彼の投げる直球は球質が異なるんです。ボールが2段階で速くなるみたいな」(在京球団スカウト)

 その2段階で速くなる直球はプロ入り後、投球フォームをショートアーム式に改造したことで「回転数」もアップした。メジャーリーグ投手の平均は約2300rpm(回転/分)とされているが、山下は2600rpmをカウントしている。だから、相手バッターのバットの芯で捉えられても外野フェンス前で失速、力で打球を押し戻せるというわけだ。

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