日本全国の「珍スポット」紹介のために“会社を辞めた”男 「ワンダーJAPON」編集長が珍スポに人生を賭けるマジメな理由

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「ワンダーJAPON」創刊

 退職後、知り合いのツテをたどって出版社でプレゼンを行い、スタンダーズが発行・発売をしてくれることになった。紙の雑誌として再スタートできることになったのだ。

「会社を辞める時に社長から『どこかで出すなら名前を少し変えて欲しい』と言われていたので、誌名はAをOにして『ワンダーJAPON』にしました」

 ライフワークの場を「ワンダーJAPON」として再開できた一方、関口氏には新しい目標ができたという、

「これまで紹介してきたものも含め、日本の珍スポットや珍建築、廃墟などの魅力を、翻訳して海外に発信していこうと考えています。例えばフランスに『シュヴァルの理想宮』という、郵便局員が石を拾って運びながら一人で造った宮殿があります。周りの村人は価値に気づいてなかったそうですが、今ではフランスの重要建造物に指定され、世界中から観光客が来ています。日本で言えば愛知県の『貝殻公園』や宮崎県の『高鍋大師』にそれに近いものを感じますし、そうした場所についてちゃんと伝えて、海外からの旅行客が楽しめる場所を増やしたい。インバウンドも戻ってきたので、これは早めにやらないといけないと思っています」

 関口氏の珍スポ布教の道は、世界を相手にまだまだ続いていく。

華川富士也(かがわ・ふじや)
ライター、構成作家、フォトグラファー。1970年生まれ。長く勤めた新聞社を退社し1年間子育てに専念。現在はフリーで活動。アイドル、洋楽、邦楽、建築、旅、町、昭和ネタなどを得意とする。シリーズ累計200万部以上売れた大ヒット書籍に立ち上げから関わりライターも務めた。

デイリー新潮編集部

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