今の芸能界は「弱い者勝ち」? 中田敦彦に高岡蒼佑、あのちゃん…「あの人にいじめられた」トークが席巻するわけ

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弱者アピールを使えるのは3度まで?に見える対策のバランスの難しさ

 なお松ちゃんへの「提言」が議論を呼んだ中田あっちゃんは、先日「間違ってたなとか、謝んなきゃなっていうことはないんだけど、やり方であるとか、なんせ弱点がすごく分かった。中田の」と反省の弁を述べていた。やはり、「先輩に力の及ばない、弱い人間」というアピールをすることで、これ以上たたかないでねと予防線を張ったように思う。

 とはいってもしょせんはプロレスの世界。ピー音が入る場合も少なくないが、実名を出して「イジメられた」と言う場合は、事前の許可や、後で謝罪する算段をつけていることも多いはずだ。これが木下優樹菜さんのように、一般人にケンカを売っては大問題だが、あれを見て学んだタレントも多いことだろう。「弱者・被害者アピールするなら、自分よりも大物にケンカを売るべし」という鉄則である。

 きらびやかな世界で生きていきたいという思いが強い人ほど、「私はたたくほどの価値もない弱者です」と見せなくてはならない時代。それでも弱者アピールが通用するのは、大体3回くらいまでではないだろうか。「都合のいいところだけ弱い者ぶって逃げて、得してばかり」と反感を買ってしまう。何より、人の名前を使った暴露トークをし続けるほど小物に見えるという反作用に、どう折り合いをつけていくのか。SNS対策と好感度のはざまで、「弱い者勝ち」以外の戦略を見せられるかが、バラエティータレントたちの今後を決するのかもしれない。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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