怪物スラッガー「佐々木麟太郎」を指名する球団は…西武、ロッテが有力か、巨人、日本ハムの動向は?

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“大穴的な存在”は中日か

 最後に残った中日は、広いバンテリンドームナゴヤが本拠地であり、脚力のないファーストの選手を高く評価するケースは少ない印象が強い。実際、2017年も清宮には入札しておらず、チーム事情を考えると投手にまず向かうというのが妥当に感じる。ただ、ここまでホームラン、長打力不足が深刻だと叫ばれており、左のスラッガータイプは皆無という野手陣を考えると、チームを大きく変えるために方針を変えるということもあるのではないだろうか。6月に行われた、花巻東が参加した愛知県高野連主催の招待試合では、2日続けて編成トップの松永幸男編成部長が視察に訪れていることも注目度の高さがうかがえる。佐々木指名の“大穴的な存在”となる可能性もあるだろう。

 今年は大学生の投手に有力候補が多い一方で、投手に比べて野手の目玉が出てくる確率は低いというのが野球界では“定説”となっており、かつて「球界の寝技師」の異名をとった根本陸夫氏は、野手を優先する方針で西武、ダイエー(現・ソフトバンク)で黄金時代を築いている。果たして、この怪物スラッガー獲得に向かう球団は、最終的にどこになるのか。今後の動向に注目だ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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