「お互いの恋人同士のトークを生放送」 ラランド・ニシダが明かす“イカれた演出”の舞台裏

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怒鳴られてもおかしくない演出

 ラジオ番組をやらせてもらえて気付いたこと。ラジオは大勢の大人が関わっている。中学生の自分には理解し得なかった、大人の自分になってやっと分かったことだ。かつてラジオとは、DJと自分の一対一の会話のように思っていた。けれど厳密には違う。放送局には死ぬほど大人と企業が関わっている。

 そんな大人の巣窟、ラジオ局でわれわれの番組プロデューサーが上司に進言したのだ。「次のラランドの生放送、ラランド二人は不在でお互いの恋人のトークから始めたいです」と。そして誰かがそんなイカれた演出にOKを出したのだ。普通の感覚なら、怒鳴られたっておかしくない。全員ふざけている。そして自分もその内の一人だ。

 伊集院光さんの前述のラジオだって、お通夜でのエピソードだ。生放送の途中に大人の誰かが、そのトークはやめろ、他の話をしろと言ったっておかしくはない。

 神回の作り方は分からない。HOW TOがあるはずもないだろう。けれど、内側から見て一つだけ分かったこと。ラジオの神様はふざけきった大人の上にきっと降り立つ。

ニシダ
1994年山口県生まれ。2014年、上智大学在学中にサーヤと「ラランド」を結成。趣味は読書で年間100冊以上を読み、小説執筆などでも活躍。

デイリー新潮編集部

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