浮気相手にも妻にも殴られ、硬膜外血種で緊急手術…それでも40歳夫は「妻を裏切った感覚がない」という根本的原因
自分を抑えることができなかった
「翌日の夜、彼女に会った瞬間、僕は自分を抑えることができなかった。『ふたりきりになりたい』と言ったら、彼女が熱を持った目で僕を見て『私もそう思ってた』と。性格がどうとかじゃなく、会った瞬間、性的に強烈に惹かれてしまうことがあるんだと初めて知りました」
まずは一体にならない限り、話もできないような状態だった。愛情確認もへったくれもない、とにかく「しないと気がすまなかった」と彼は言う。
「恥ずかしい話だけど、その夜はずっと抱き合っていました。電車がなくなる時間になったので、彼女をタクシーで送ったんですが、そのタクシーの中で彼女がバツイチの33歳だと知りました。子どもはいない、ひとりで暮らしているから今度、来てと彼女は言って降りていった」
彼はそのままタクシーで帰るつもりだったのが、すぐに止めて彼女のあとを追った。彼女は自宅マンションのエントランスを入ったところでエレベーターに乗り込むところだった。
「オートロックだからガラスドアをガンガン叩いたら、彼女が走ってきた。そして抱き合いながら彼女の部屋に行きました。体に火がついたみたいになって帰れなかった」
当然、修羅場に
ここまで強烈にお互いを欲してしまうと、鎮火するまでには時間がかかる。彼はそれから10日間、彼女の家に通い続けた。狂おしいくらい彼女を思い、体が疲れても彼女を欲する気持ちはおさまらなかった。
「そりゃ当然、妻だっておかしいとすぐわかりますよね。『毎晩、終電だし、どうなってるの?』と言われて、はっと我に返りました。もうちょっと策を考えないと莉菜に会えなくなると思った。莉菜とも話し合って、もう少し回数を減らそうということになりました」
だんだん気持ちも性欲も落ち着いてくると思っていたのに、一向に落ち着かなかった。だが彼は我慢した。この我慢は楽しい我慢だ。3日たてば莉菜さんに会える。そう思えば我慢のしがいもあった。
「知り合って3ヶ月たったころ、莉菜のところにいたらドアがすごい勢いで叩かれて。チャイムも押さずにドアを叩くなんて近所迷惑な話。あわてて莉菜がドアフォンで見たら、『女の人が立ってる』って。見たら妻でした。どうやって莉菜を突き止めたのかわかりませんが、おそらく携帯を見たんでしょう。マンションに出入りする人と一緒に入ってきたんだと思う。すごい形相でカメラを睨みつけていた。どうしようと思っていたら、彼女の名前と僕の名前を連呼し始めて。莉菜に『連れ出すから。今日はごめん』と言い置いて、あわてて服を着て玄関を開け、妻をそのまま外へ連れ出そうとしました」
だが妻は抵抗した。絶対に動かない、あの女に会わせてよと叫んだ。それを聞いて莉菜さんが外に出てきた。隣人は玄関を開けて顔を覗かせた。
「警察呼びましょうかと言われて、いや、大丈夫ですと返して。とにかくうちに入ってと莉菜に言われて3人で顔をつきあわせることになってしまった」
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