マツコ・デラックス 日テレで10月から新番組内定 放送時間帯に注目のワケ

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売れているのは素顔に魅力があるから

 番組に出ている時とそうでない時はほとんど変わらない。番組に出ていない時のほうが他人に気を使うことが目立つくらい。芸能人ぶらない。というより、芸能人という意識はないのではないか。こういったところもカメラは映し出す。素顔に魅力のない人は、ここまで売れないのである。

 また、「忖度」という言葉を中学生でも使う時代になり、芸能人を含めて本音をなかなか明かさない人が増える中、マツコの歯に衣着せぬトークは貴重で痛快だ。言葉がよそ行きではない。

 簡単なようだが、誰にでも出来ることではない。平均的な芸能人が本音で語ると、ほぼ間違いなくカドが立つ。舌禍となりかねない。一方、マツコは発言が問題化しにくい。頭が良いから予防線を張っているのだろうが、それと同時に自分の発言で共演者や視聴者を傷つけたくないのだろう。

 マツコ自身がくすんでいた時期、傷つくこともあったからではないか。さらに的はずれのことは決して言わない。芸能界広しといえど、こんな人は滅多にいない。本人が芸能界に飽きて引退しない限り、テレビ界のマツコ時代は続くと見る。

「マツコ会議」の後続番組は、金曜午後11時から現在放送中の紀行バラエティ「アナザースカイ」になる。それによって放送枠が空く金曜午後11時はアニメになる。

 今日的な編成だ。各局は自社の会員制有料配信サービスが急成長しているため、そのコンテンツとしても使えるドラマを増やしているが、アニメも配信に利用できる。この時間帯なら大人向けでテーマが難解な作品も放送できる。話題のアニメ枠になるだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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