6代目山口組の幹部会でテーマにあがった「ETC訴訟」に影響を与えかねない「トラック特攻」

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当局の狙いとは

 入会前のそういった確認作業が奏功したのか、被疑者は起訴を免れたが、道路会社6社は今年3月から、暴力団員の加入を認めない旨を規約に明記し、申請の際にも反社チェックをすることになったという。

 そのため会員資格を喪失し、カードが使えなくなった組員が冒頭に記したように、提訴に踏み切ったというわけだ。

「今年2月には、他人名義のETCカードを使って高速道路を走行したとして、電子計算機使用詐欺の疑いで6代目山口組の直参組長が逮捕・起訴されました。直参組長は、若頭補佐で秋良連合の秋良東力会長や高山若頭の秘書役を担う極粋会の山下昇会長、組織委員で2代目章友会の新井錠司会長といった面々です。そもそも暴力団組員はETCカードを所有することができません」(先のデスク)

 当局の狙いとはどういったものなのか?

「ETCパーソナルカードとETCカードで違いはあるものの、摘発されているのは6代目山口組ばかりなので、当局の狙いは明らかでしょう」(同)

会議直後に特攻事件が

 当局は、直参組長らが高速道路を使って幹部会はもちろん、組織のさまざまな会合に出席していることを掴み、移動の自由を奪おうと企図したのだろう。暴力団対策法に基づき、特定抗争指定暴力団となると警戒区域内で組事務所の新設と立ち入りが禁じられる一方、警戒区域外ではこの限りではない。

 幹部会はそういった区域外で開かれるのが常だが、高速道路のETC専用化がさらに進めば、高速を使うことは困難になっていくのは必至。一般道で地道に現地へ向かうか電車を利用するか、リモート会議の選択を余儀なくされるか、会議そのものを断念するか、のいずれかになるのだろうか。

 彼らにとっては重大事なので会議のテーマとなるのも当然なのだが、話し合いの直後、タイミング的にこの訴訟に影響を与えかねない事件が発生した。

「9日17時30分過ぎ、神戸山口組傘下の2代目西脇組(本部・兵庫県神戸市)の事務所にトラックが突っ込みました。現場にはトラックそのものと、トラックが少し擦れた痕が残されていた程度で、運転手は逃げており、薬きょうや銃弾などの類も落ちていませんでした」(同)

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