「人を斬ったという可能性は…」 楽天・三木谷会長がイニエスタに贈った日本刀の価値は?

スポーツ

  • ブックマーク

 ヴィッセル神戸を退団したイニエスタ(39)に、三木谷浩史会長が日本刀を贈ったことが物議を醸している。

 ネットでは〈管理やメンテナンスが面倒で、ありがた迷惑〉〈腕時計なり自動車なり、他にふさわしいプレゼントはいくらでもあるのに〉とさんざんな言われよう。セレモニーでは「日本文化にいつまでも触れてほしい」という三木谷氏の思いが説明されたが、〈刀を授けるなんて殿様気取りか〉〈“縁切り”を連想させる刃物を贈るのはおかしいのでは〉といった批判が浴びせられた。

 加えて〈国の宝を海外に流出させるべきではない〉という指摘も。そもそも、この日本刀、どれだけの価値があるものなのか。

 贈られたのは「肥前国住近江大掾(ひぜんこくじゅうおうみだいじょう)藤原忠広」なる銘の刀である。

「人を斬ったという心配はほぼない」

 日本刀専門店「永楽堂」によると、

「忠広は、江戸前期、肥前藩お抱えの刀工で、肥前刀では三指に入ります。もっとも、80歳過ぎまで生きたため、作刀は多く、希少性はありません。かなり見かける、お求めやすい刀です」

 下世話な話だが、おいくらくらいするのか。

「どのような鑑定書が付いているかにより異なり、特別保存でしたら250万円~300万円。重要刀剣なら500万円くらいで、このクラスの忠広はおそらく200本以上あると思います。特別重要刀剣ならさらに高値になります」

〈人を斬っていたら気持ち悪い〉という意見もあるが、

「この時期の作なら、幕末の争乱で使われた可能性が考えられますが、それは極めてまれ。人を斬ったという心配はほぼないでしょう」

〈スペインに持ち帰れるのか〉という疑問もある。刀剣を海外に持ち出すには文化庁などへの申請が必要だが、ヴィッセル神戸の広報担当者によると、

「正式な手続きを経てからお渡しいたします」

 どれも大きなお世話だったみたい。

週刊新潮 2023年7月13日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。