「高齢者を切り捨て」「河野太郎が幹部の口封じ」 自主返納が相次ぐマイナンバーカードの闇

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政権の行方を左右

 しかし、こうした発言がブーメランとなって自分のところへ戻ってくるのが世の常というもの。当の河野大臣がお沙汰を受ける可能性があるという。

「今後の内閣改造で河野さんの処遇をどうするか、が焦点になってきます」

 とは前出の青山氏。

「河野さんの側近議員の中には“ここで代わった方がいい”と話している人もいます。総理総裁を目指すには、党の役職を経験した方がいいだろうというわけです。だからといって、途中で投げ出せば、河野さんのイメージを傷つけることにもなる。このまま河野さんにやらせるべきか、否か。岸田総理の決断が政権の行方と河野さんの未来を左右することになります」

 河野大臣が船頭となった国家的プロジェクトが迎えた大きな岐路。

「政府と国民との溝は深まるばかり」

 評論家の大宅映子氏は一連の政府の対応に手厳しい。

「政府がそれでもマイナカードを広く普及させたいというなら、メリット・デメリットについてタウンミーティングを重ねるなどして、丁寧に説明すべきでしょう。そういうプロセスを飛ばして、ゴールに急いで向かおうとするから、ほころびが出てくる。このままだと政府の方針がコロコロ変わっていきかねず、整形手術を繰り返す人と同じような状況になりますよ。1カ所直したら別のところが気になりだして、気付いたらどんどんバランスが崩れていく、ということです」

 ただし、こうも言う。

「国民がマイナカードを返納しても何かが変わるわけではありません。重要なのは、国民がヒステリックに騒ぐのではなく、個人情報にまつわる重大な問題について議論を重ねること。そうしないと、政府と国民との溝は深まるばかりです」(同)

 ツイッターでは意に染まない意見を“ブロック”することで知られる河野大臣。国民との対話も経ず、高齢者や施設から聞こえてくるマイナカードへの悲痛な叫びも遮るのであれば、まさに“ブロック太郎”の真骨頂といえそうだ。

週刊新潮 2023年7月13日号掲載

特集「『高齢者』置き去り ついに自主返納運動まで始まった『マイナカード』で岸田政権の断末魔」より

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