「高齢者を切り捨て」「河野太郎が幹部の口封じ」 自主返納が相次ぐマイナンバーカードの闇
不信感が強まるばかりのマイナンバーカード問題で自主返納が相次いでいる。もっとも、信頼が失われるのも当然で、デジタルに適応できない高齢者は置き去りにし、当の大臣はカードの名称変更まで言い出す始末。マイナとともに政権も沈没しかねない状況なのだ。
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自民党から民主党への政権交代のきっかけとなった2007年の「消えた年金問題」では、次々と不都合な真実が明るみに出て、国民の怒りは頂点に達した。
その顛末を彷彿とさせるのが、今回のマイナカード問題である。
「いま、岸田総理は“これくらい乗り切れなきゃだめだろう”と周囲にいら立ちを見せています。問題が長引くと解散できなくなる恐れがありますから」
とは、政治ジャーナリストの青山和弘氏。
「今回の問題を『消えた年金問題』になぞらえる自民党議員もいて、このままだと6月に解散しておけばよかった、となりかねません。岸田政権は、トラブルについての総点検を進めつつ、時が過ぎて国民の関心が薄れるのを待つしかないのが現状です」
5月末には返納数が計約45万枚に
国民の関心の高さをうかがわせるのがマイナカードの「自主返納」だ。今年5月末には返納数が計約45万枚にまでのぼり、その後も各自治体で自主返納が相次いでいる。
例えば、石川県金沢市の担当者は、
「4月の返納数は1件だったのが、5月から6月下旬にかけては21件ありました。数だけ見ますと、5月から返納数が増えている状況です。その理由として『不信感がある』といったものがありました」
他にも大阪府堺市の戸籍住民課の職員に聞くと、
「堺市では5月頭から6月20日までの時点で44件の返納がございました。5月以降の報道をきっかけに増えているのではないかと思います」
高齢者を含め、マイナカードそのものへの警戒感が増幅しているということのようなのだ。
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