「いかにも達郎さんらしい言葉だった…」山下達郎のラジオ発言を関係者が分析してわかったこと
切っても切れない関係
山下といえば、コアなファンが多いことで知られる。
「彼と同世代のファンが多く、大勢に迎合することを善しとしない人が少なくありません。達郎さんもそう思われていました。今回は“作品と性加害は別もの”という考えからの発言であるとはいえ、あれでは被害者に対する配慮が全く感じられません。わかってもらえなければ聴かなくてもいいといった発言を、残念と感じる方もいると思います」
ところどころで気になる言葉もあったという。
「松尾さんのジャニー喜多川氏やジャニーズ事務所に関する発言を、《憶測に基づく一方的な批判》と言うのもどうでしょう。これまで自身の音楽はじめ何事に関しても理詰めだった達郎さんらしくありません。イギリスのBBCの報道がきっかけとなり、これまでに何人もの被害者が告発を始めているというのに、《憶測》と言い切るとは……。『そこまでジャニーズを庇うのか』という声が出るのも仕方ありません。特に、近年のシティーポップ・ブームで達郎さんを知った10代から30代の若いファンは受け入れられないでしょうね」
そもそも、ジャニーズ事務所とスマイルカンパニーは切っても切れない関係だという。
「達郎さんは《私のビジネスパートナーが近藤真彦さんのディレクターとなったことから、『ハイティーン・ブギ』という作品が生まれました》と語っていましたが、そのパートナーこそスマイルカンパニーの前社長・小杉理宇造氏(75)です。その前段では《私のビジネスパートナーはジャニーズの業務を兼務》と言っていましたが、小杉氏はジャニーズ・エンタテイメントの社長でした。その関係もあって、達郎さんはジャニーズアイドルに多くの楽曲を提供したのです」
むろん、作品と性加害は無関係だ。
「達郎さんは《今の世の中はなまじ黙っていると言ったもの勝ち》とも語っていましたが、昔とは違い今はネットで検索すれば、スマイルカンパニーの前社長がジャニーズ関連会社の社長を務めていた程度のことはすぐわかります。一般の人でも自ら発信できる時代ですよ。その辺りの読みが甘かったため、ブーメランになって返ってきているように思います。ジャニーズへの配慮はともかく、被害者や自身のファン、一般の方々に向けた配慮が足りなかったように思います。それが残念です」