「6代目山口組の眼中に神戸山口組はない」との現実が露呈した「井上組長宅ガソリンばらまき事件」

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自宅にあまりいない

 神戸山口組の井上邦雄組長の自宅にガソリンをまいたとして、放火予備容疑で6代目山口組傘下の組員が現行犯逮捕された。一方で、神戸山口組と2社連合を組む池田組の池田孝志組長に対する6代目山口組側の追及も、激しいものになっているという。

 6月28日、井上組長宅への放火予備容疑で逮捕されたのは、6代目山口組傘下の2代目竹中組・篠原会幹部の竹内一元(かずもと)容疑者だ。

「神戸市北区の自宅玄関横のガレージに、ペットボトルに入れたガソリンをまいて火をつけようとしたようで、実際にガソリンがまかれていたとのこと。組長宅は昨年も、17発もの銃弾が扉に打ち込まれるという発砲事件がありました。以降、警戒体制が敷かれていたため、竹内容疑者がオートバイで自宅に近づき、液体をまくのを署員が目撃し、現行犯逮捕に至ったということでした」

 と、担当記者。

「井上組長は普段この自宅にあまりいないようですが、それも踏まえたうえでの行動と思われます。なかなか本人を襲撃することができない中、それでも圧力をかけようとしたアクションだと見られています」(同)

2代目竹中組・篠原会

 6代目山口組と神戸山口組との抗争に関連した事件で篠原会の名前が登場するのは今回が初めてではない。

 2019年、神戸山口組傘下で2代目古川組の古川恵一組長に自動小銃で15発の銃弾を撃ち込んで射殺したのも、篠原会の組員だった。組員はこの件で無期懲役が確定している。

「あの一件で神戸山口組がさらにグラついたのは間違いなく、2代目竹中組はその点で評価されたと思われます。ただ、現状では6代目側の眼中に神戸側はないと言っていいでしょう。ほとんど抵抗せず、報復もしない神戸側を歯牙にもかけていないということです」

 と、現状を解説するのは元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。

 この説明の通りならば、今回の事件にはいささか不可解な点が残る。

 神戸山口組側の旗色が悪いというのは衆目の一致するところだ。それでも井上組長は自身ひとりになっても、決して白旗をあげないとのスタンスを変えていないとされる。となると、抗争を完全に終了させるには井上組長を襲撃することが必須になるが、それは至難の業に違いない。

 竹垣氏の言うように6代目側が神戸側をもはや歯牙にもかけていないなら、井上組長が不在とされるタイミングでガソリンをまいた程度では組織として評価されることはないだろう。にもかかわらず、なぜわざわざそんなことをしたのか。

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