ソフトバンク、異次元の大型補強も…パ・リーグで抜け出せない深すぎる“問題点”

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投手陣に太い柱がいない

 昨年オフの主役となった球団と言えば、やはりソフトバンクだろう。他球団との激しい争奪戦の末にフリー・エージェント(FA)となった近藤健介を獲得すると、他にも有原航平、オスナ、ガンケル、嶺井博希と実績のある選手を次々と獲得。エースの千賀滉大(メッツ)がメジャーに移籍したことは痛手だが、3年ぶりの日本一奪還への本気度を感じたファンが多かったのではないだろうか。評論家による優勝予想もソフトバンクを支持する声が多数を占めていた。【西尾典文/野球ライター】

 しかし、いざシーズンが始まってみると、オリックス、ロッテと首位争いは演じているものの、ソフトバンクが圧倒的に優位に立っているわけではない。6月は大きく勝ち越したが、このまま一気に独走状態に入るほどの勢いを感じているファンは多くはないはずだ。

 では、ソフトバンクにそこまでの強さを感じられない理由はどこにあるのだろうか。

 まず気になるのが、投手陣の太い柱がいない点だ。主な先発投手の成績(7月5日終了時点)を文末に一覧にしてまとめたが、大きく勝ち越している投手は1人もいない。大型補強の1人である有原が3連勝を記録しているのはプラスだが、その有原も日本ハム時代に比べると、ストレートの被打率は大きく悪化しており、球威が落ちている印象は否めない。

野手は主力が“高齢化”

 一方でライバルとなるオリックスの先発投手陣を見てみると、エースの山本由伸だけでなく宮城大弥、山下舜平大、山崎福也も大きく貯金を稼いでおり、更に実績のある山岡泰輔、田嶋大樹も控えている。

 ロッテは、佐々木朗希が圧倒的な成績を残し、種市篤暉、小島和哉、西野勇士の3人もしっかり貯金を作っている。上位3チームの先発防御率を見てもオリックスが2.88、ロッテが3.09なのに対して、ソフトバンクが3.45と明らかに劣っている。シーズン後半にいわゆる“天王山”と言われるような上位チーム同士の直接対決となった時にやはり有利なのは“絶対的な先発投手”のいるチームである。そういう意味でも、エース不在の投手陣はソフトバンクの大きな弱みと言えそうだ。

 一方の野手陣で気になるのは、主力の高齢化だ。現在、中軸を担っている野手と今年の満年齢を確認してみよう。柳田悠岐(35歳)、近藤健介(30歳)、中村晃(34歳)、今宮健太(32歳)、栗原陵矢(27歳)、牧原大成(31歳)、甲斐拓也(31歳)と軒並み30歳を超えている。

 特に柳田、中村、今宮などは近年故障やコンディション不良で離脱することが多く、これから夏場を迎えた時に体力的な不安から成績を落とすことも十分に考えられるだろう。

 近藤が早くもキャリアハイとなる12本のホームランを放ち、期待通りの活躍を見せているのはもちろん大きなプラスだが、それ以外に目立った新戦力の台頭は見られない。

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