民放連ドラ7年ぶりの芦田愛菜、中村倫也は池井戸作品…夏ドラマ「お薦め3選」の見どころ
中村倫也の“眼力”を信じて推す1本
7月13日スタート:テレビ朝日「ハヤブサ消防団」(木曜午後9時) 主演・中村倫也(36)、助演・川口春奈(28)ほか
自分の目より、中村の眼力を信頼して推す。主演級の俳優は自分が納得した作品にしか出ないが、ここ数年、中村の主演作は秀作ばかり。日テレ「美食探偵 明智五郎」(2020年)、テレビ東京「珈琲いかがでしょう」(2021年)、TBS「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(2022年)。もちろん演技も抜群にいい。2枚目も3枚目も悪役も出来る。こんな俳優はそういない。
人気作家・池井戸潤氏のミステリーが原作なのも推す理由である。中村の役柄はがけっぷちのミステリー作家・三馬太郎。5年前に推理小説賞を受賞し、それを機に勤務先の会社を辞め、作家業に専念したが、売れない。ネットの評価も散々だ。
担当編集者の中山田洋(山本耕史・46)には励まされるものの、気落ちして執筆が進まない日々が続いていた。
ある日、太郎は山間の集落・ハヤブサ地区を訪れる。亡き父から相続し放置していた一軒家の現状を確認するためだったが、太郎は地区の豊かな自然がすっかり気に入り、この地に移り住む。
その後、太郎は近所に住む青年・藤本勘介(満島真之介・34)に誘われ、地元の飲み会に参加した。そこで知リ合った山原賢作(生瀬勝久・62)に消防団への入団を勧められる。地方では珍しくない話だ。
太郎は乗り気でなかったが、直後に地元で火災が発生し、消防団の必死の活動を目の当たりにしたため、気持ちが動き、入団を決めた。
あとから分かるが、実はハヤブサ地区では不審火が相次いでおり、団員たちは連続放火事件を疑っていた。のんびりした地域に放火魔が潜んでいる可能性があると知った太郎はゾッとする。その矢先、住民の1人が行方不明となる。相次いだ不審火と関係があるのか。
川口が演じるのは、やはりハヤブサ地区に移り住んだ映像ディレクター・立木彩。太郎とは、地区にたった1つしかない居酒屋で知り合う。善玉か悪玉かは分からない。
消防団員役で橋本じゅん(59)、梶原善(57)、岡部たかし(51)が出演する。全員、経験豊富なベテランの演劇人なので、確かな芝居をみせてくれるのは間違いない。
消防署でなく、消防団が描かれるところが斬新で面白い。団員は別に仕事を持つが、火事や災害になると結束する。地域の暮らしを守っている。
チーフプロデューサーは「遺留捜査 season7」(2022年)など数々の作品を手掛けた三輪祐見子氏。春ドラマ「波よ聞いてくれ」を製作協力したMMJがこの作品も協力する。
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