“二刀流”に15年契約予想 トラウトを見限るエ軍のウラ事情 プレーオフ危機でも「大谷のトレードはない」と専門家の声
「レッドソックス」オーナーの“二の舞”を回避したいモレノ
エンゼルスは7日からドジャースとの前半戦最後の2連戦に臨む。球宴明けはアストロズ、ヤンキースと一筋縄ではいかない難敵との対戦が続く。現状が変わらないようだと、トレード期限まで大谷を巡る報道は過熱の一途を辿りそうだが……。
前出の代理人は複数の根拠を挙げた上で「(オーナーの)モレノは大谷をトレードはしないだろう」と言い切る。
「モレノはメキシコ系の貧しい移民の子だったが、一代で財を築き、アメリカンドリームを実現した。不世出の選手とも言われる大谷を、たとえトレードによるチーム強化の大義名分があったとしても、損得勘定で放出したとなれば、ベーブ・ルースをヤンキースにトレードしたレッドソックスのオーナーのように末代までも笑いものになることを、よく分かっている。自身の成功に傷が付くことは耐えがたいからこそ、トレードには否定的なスタンスで大谷との契約延長を目指すことを公言してきた」
くすぶる“球団売却”
さらに、この代理人が続ける。
「モレノは(今年1月に断念した)球団売却を依然、選択肢から外していないのではないか。1月には自身の希望額との折り合いが付かなかったとみられていたが、仮に来季から大谷との長期契約に成功すれば、球団の価値はさらに高まり、希望額で売り抜けられる可能性も高まる。トレードの代償で得られるプロスペクト(若手有望株)によるチーム強化が合理的という発想は、従来の選手が対象であって、大谷ほどのスケールの選手には当てはまらない。そもそも、エンゼルスはプロスペクトを得てまともに育成できるのか。今季は大谷のラストイヤーになるのではないかとのファン心理から観客動員が伸びているようで、GM(ゼネラルマネジャー)ではなく、オーナー目線で考えれば、大谷はトレードせず、今オフまでにエンゼルスが再契約できずにFA(フリーエージェント)になった後も再契約を目指していくことが最善という結論は明確」
大谷の次期契約はどの球団であれ、メジャー史上最大規模になることが確実視されている。かねてモレノ氏は大谷との契約に限っては、否定的だった「ぜいたく税」を支払うことも辞さない姿勢で、大型契約を準備しているもようだ。
「それでも、ドジャースやメッツなど資金力豊富な球団は単年ではエンゼルスを上回る金額を提示するだろう。エンゼルスが対抗できるとすれば、契約年数の長さ。トラウトとは27歳だった19年に12年契約を結んでいる。29歳での契約となる大谷には、例えば15年契約を保証する。昨オフのダルビッシュ(有=パドレス)の(42歳のシーズンまでの)長期契約のように、晩年になるほど年俸は下げつつ、総額では史上最高額を提示するなどのことは考えられる」(同代理人)
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