市川團十郎の「2万円写真集計画」が詐欺で訴えられていた 「3500万円返せ」出資者が怒りの告発
目をグッと見開き、居並ぶ観客を見渡す「にらみ」は代々、成田屋にだけ許される歌舞伎の見えだ。その大名跡の当代、すなわち十三代目市川團十郎(45)が金銭トラブルに関係し、被害者から「にらみ」つけられる事態になっているという。
【写真10枚】29年前、慶應大1年生だった猿之助。やはり現在とは雰囲気が全く違う
猿之助の自殺ほう助事件の捜査が急展開する中、梨園に新たな騒動の火種が発生した。團十郎が十一代目市川海老蔵を名乗った時代の写真集が販売中止となった末、出版社の代表が刑事告訴されていたのである。
発端は2年前、團十郎襲名を控えた海老蔵に付録つき豪華写真集の企画が持ち上がったこと。『十一代目市川海老蔵トレジャーブック』は2022年10月中旬、CSI株式会社から発売が予定され、価格は強気の税込み2万円に設定された。
〈見応え、読み応え、手応えのある豪華な本になる予定でございます〉
本人も、成田屋のHPでまさにそう見えを切ってみせたのだが、年末になって販売中止が購入予定者に一方的に通告されて騒動に。
3500万円を振り込んだが…
都内の会社経営者の男性は、
「CSIの女性社長から、“市川海老蔵のトレジャーブックに出資してほしい”と持ちかけられまして」
と言って肩を落とす。
「いわく“海老蔵の後援会や歌舞伎のファンクラブなど全国に5万以上の人がいる。だから1冊2万円でも限定1万部の販売にすればすぐに問題なく完売となり、間違いなく投資金に配当金を乗せてお返しできる。海老蔵も売れると断言している”と……。私はその言葉を信じたわけです」
かくて男性は21年9月、CSI社と投資契約を締結、翌月に3500万円を振り込んだという。
「女性社長には“海老蔵から今月中(9月中)に先に1千万円欲しいと言われている。1千万円だけ前倒しで入金してもらえないか”とも依頼されました。そちらの要求は断ったのですが、今思えば、あの頃からすでにCSIは資金繰りが苦しかったのかもしれません」
出資後、CSI社から連絡が来ることはなくなり、実際に写真集が制作されているのか不安を覚えた男性は撮影現場の見学を希望。だが、それも実現することはなく、CSI社は昨年3月、いきなり販売延期を通知してきた。男性は言う。
「その際、彼女からは“海老蔵と松竹の関係が悪化して、襲名が遅れるので出版を延期する”と説明されました。私は、それまでの彼女の態度から“事業に失敗したのかも”との疑念を抱いて返金を求めたのですが、彼女は“それなら弁護士を立てろ”といった態度を見せた。なのでその通りに弁護士を立てたのです」
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