24年間で2万本出演…44歳「セクシー男優のレジェンド」が語る引き際とセカンドキャリア 韓国でYouTuberデビューも
“勃たせること”は簡単、問題は……
便利な薬が色々出てきたので、“勃たせる”ことは誰にとっても難しくない。問題は硬さのコントロールとフィニッシュ。女優さんもさまざまで、承認欲求の塊なだけで行為自体は好きじゃない女性もいます。そういう人が相手となったとき、いくら奮い立たせようとしても思うようにいかなくなってきたのです。名前や肩書き、スタイルじゃ興奮できない。感情が見えないと興奮するのが厳しくなってきた。
最後は何とかするわけですが、まあ、端から見たら痛々しい姿だろうなと思う。けれど、僕くらいのキャリアだと周りは年下ばかりで気を使われ、叱ってももらえない。
代わりに聞こえてくるのは、「もうアイツは終わったな」。でも、それは実際、自分たちが若い頃に、先輩たちが言われているのを耳にしていた言葉でもある。とうとう自分の番も来たのです。
もちろん、いろんな引き際があって、人それぞれが決めることだと思います。Jリーグの三浦和良さんやボクサーの辰吉丈一郎さんは50過ぎても現役を続けていますし、僕らの業界にもそういう方はいます。もちろん需要があってのことですし、スポーツ選手とは違って味が出てきたって見方もできます。本人たちの努力を重ねていると思う。でも、僕はマニアとして自分が見る側の人間でもあるから、ガチを見せたい。ガチで挑むには能力が足りない。
一方で、若い芽はどんどん出て来ていて、世代交代を意識してしまう。ピーク過ぎたくせに過去の栄光や人間関係で特別扱いされてるロートルがいたら下の世代は嫌でしょう。事実、僕がしぶとく出続けることで出番が回ってこない後輩がいるわけです。
また、単純な話、若い女優さんにリアリティーを感じられなくなってしまった。ただ、それを若い人のせいにはしたくない。「最近の若い奴らは……」って言う先輩が嫌いだったから。ただ単に自分にアンテナがなくなって、感性や流行りについていけない。
ある時、ドラえもんが好きだと話す女優さんに「大山のぶ代のドラえもん知らないでしょ?」と言ったらキレられた。
「私、それ言われんのがこの世で一番ムカつくんだよね。だから何? 知ってたら偉いの?」
ヘラヘラごましましたが、内心では自分が恥ずかしかった。自分の時代が一番いいなんてうぬぼれだし、みんなそう思って生きているはずで、リスペクトが足りなかったなって。男優としてのパフォーマンスもそうかなって。どこかで自分が一番だって意識的な勘違いをしていないと続けられない仕事なんですが、長く続けたことで勘違いを自覚できなくなっていた。もう男優としての伸びしろないと気づいたのです。
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