ロシアの外交官は日本の法律を守る気がない…そこで奥の手を使ったが【元公安警察官の証言】
「プロトコール・オフィス」
勝丸氏は、そこで次の策を考えた。
「担当者の外交官に『そんな回答では、日本の世論は納得しません。マスコミに話さざるを得ません。ロシアの外務省にも伝えます』と告げると、『いや、待ってくれ。メディアに発表されては困る。件の外交官と話してみる』と。かなり動揺していたのがわかりました」
それからしばらくすると、
「問題の外交官は、直近の駐車違反3件分の違反金を支払いました。本当は全て払って欲しかったのですがね。あまり厳しく追及すると、何かあった時にロシア大使館に協力してもらえなくなりますから、これでよしとしました」
ところが、問題の外交官は、その次の年も頻繁に駐車違反を繰り返したという。
「流石に呆れましたね。結局、少しも反省していなかったのです。これは見過ごすことはできないと思い、外務省の儀典官室(プロトコール・オフィス)に連絡しました。この部署は外交官のお目付役というべきところで、問題のある外交官に『ペルソナ・ノングラータ(好しからざる人物)』を通告して、国外退去処分にすることができます。私の報告を受けた儀典官室の担当者は、件の外交官に対して外交特権になっているガソリン税の免除を停止しました」
ガソリン税は本来、1リットル当たり53.8円が課せられるが、外交官はこれが免除されている。
「外務省は外交官に対して、ガソリン税が免除となる証明書を発行していますが、問題の外交官が日本に赴任している間は証明書を発行しませんでした。これでお灸をすえた形となりました」
昨年11月、ガルージン駐日大使が離任の記者会見を行った際、ロシアの外交官の駐車違反が取り沙汰された。
「ガルージン大使は日本語が堪能です。ところが、記者がロシアの外交官の駐車違反が突出しているのはなぜかと質問すると、一瞬顔をこわばらせて、『君は質問しているのか、それとも議論しているのか』と言い出しました。この問題には触れてほしくなかったのでしょう」
どうしようもない大使である。
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