「ニュースウオッチ9」に訪れたお取り潰しの危機 「ニュース7」とは全く違う弱すぎる局内でのポジション

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林田アナはどうなる

「『ウオッチ9』は、2004年スタートのテレビ朝日『報道ステーション』に対抗する狙いから06年に立ち上げられた“プロジェクト”なのです。局内での正式名称も“ニュースウオッチ9プロジェクト”。こうして実験、あるいはお試しで始めたものが、結果的に17年も続いてきただけなんです。プロジェクトを継続するかどうかは、毎年、審査を受ける形になっていて、秋を迎える頃に次年度の目論見書などを上層部に提案、ハンコをもらって予算がついて、翌年もOAを続けるというスキームです。それもこれも、『ウオッチ9』が他の番組とは違う“プロジェクト”だからです」

 トップである編集長も権限は弱いという。

「『ウオッチ9』は制作スタッフも各部署からの出向組で構成され、編集長にはスタッフを指名する権限も拒否する権限もありません。出向者をただ受け入れるだけ。逆に言うと、寄せ集めスタッフによる実験プロジェクトであるせいで、お取り潰しになるリスクに常にさらされてきたとも言えます。以前は『報ステ』の向こうを張って、モノ言うキャスターが存在感を見せてきました。大越健介アナ、有馬嘉男アナが好例です。でも最近は、『おはよう日本』や『ニュース7』との違いがわからない、普通の平板な無味無臭の定時ニュースになっています。こうした経年劣化により、スタッフのモチベーションも高いとはいえず、そろそろ店じまいの時期なのかも」

 店じまいとは言っても、NHKの夜9時台は「ニュースセンター9時」(1974~88年)や「ニュース21」(90~93年)、「ニュース9」(93~06年)など大物アナが司会を務める報道番組の伝統があったのでは? 簡単に看板を畳めるものなのか。

「『ニュース9』は30分番組でしたね。つまり、夜9時から1時間は報道で行くという決まりなどはないんです。かつては10時からの『ニュース10』(00~06年)もありましたしね」

 だとすると、今年4月から「ウオッチ9」で頑張っているあの林田理沙アナはどうなってしまうのか。「ブラタモリ」で人気に火がついた彼女は、NHKのエース級アナウンサーのはずだ。アナウンス室関係者が話を引き取る。

「今回の問題もあり、スタッフのやる気も低下している以上、担当を続けることが彼女のためになるのかどうか。秋以降に翌年のアナウンサーの配置を決める“キャスター委員会”が開かれるので、そこで彼女の担当も改めて検討されるでしょう。スタッフからの評判もいい彼女の場合、『ウオッチ9』以外の番組からも引きがあるのですから。ちょうど年末頃にBPOから厳しいお沙汰が下されそうで、そこで『ウオッチ9』の命運も見えてくる。来年4月以降も『ウオッチ9』が継続し、林田さんがキャスターを続けるという未来は考えにくいような……」

デイリー新潮編集部

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