井岡一翔の大麻成分検出で「ホッとした」TBS  タトゥー問題もあり今後は地上波で扱われない?

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 6月24日に大田区総合体育館で行われたWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチは、挑戦者・井岡一翔(34)にとって真価が問われる一戦だった。

 それは、ボクサーとしてのみならずビジネス上の価値。なぜなら、大みそかを含めTBSの独擅場だった井岡戦の中継が、地上波でなく、初めてネット配信ABEMAで行われたからだ。

「しかもペイ・パー・ビューで6200円。きわめて強気な料金設定です」

 とスポーツライター。

「あと1500円足せば、売れ残っていた会場チケットが買える額。人気で井岡をしのぐ井上尚弥のネット中継だって、そんなに高くないのに……」

 なぜ今回はTBSで中継されなかったのか。

「金銭面で折り合いがつかなかった。大みそかでないため予算が限られた事情もありますが、TBSは彼の商品価値が下がってきているという判断をしていました」

 井岡側にも不満があった。

「井上はネット中継で成功を収め、多額のファイトマネーを得ている。自分だって負けてはいられない、という気持ちが芽生え、ネットに乗り換えたわけ」

「ウチでやらなくてよかった」

 お手並み拝見――と思ったら、試合3日前の21日、想定外の事態が起きた。

 昨年大みそかに行われた試合におけるドーピング検査の結果、井岡の検体から大麻成分の代謝物が検出されていた、と日本ボクシングコミッション(JBC)が発表したのだ。

 トラブルは続く。前日計量で王者ジョシュア・フランコ(27)=米国=が2.9キロもの体重超過で失格となってしまった。

「フランコは精神面でも問題を抱えていたようで、“試合ができる状況にない”と帰国せんばかりの勢いだったらしく、日本側が必死になだめたそうです」

 そんな顛末に、今回は傍観者だったTBS関係者は、「ウチでやらなくてよかった」と胸をなで下ろしたのだとか。というのも、

「第一に、過去の話とはいえ大麻疑惑が浮上した選手の試合を地上波で流すのはコンプライアンス上問題があり、スポンサーも納得しない。第二に、対戦相手失格で試合の開催自体が宙に浮き、開催が決まったのは当日の計量の後。ネット中継なら中止すればいいだけですが、地上波は差し替えやスポンサーへの説明など簡単にはいきません」

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