マイナ事業で荒稼ぎするパソナと竹中平蔵氏 30年前の写真で「デタラメカード」が発行される問題も…役所の担当者は「上司が急かすから」
命に直結
かくも不都合な真実が満載のマイナ事業。
「このまま保険証の廃止とマイナカード一体化を強行すれば、とんでもないことが起こると思います」
と憤るのは、経済ジャーナリストの荻原博子氏。
「医師の皆さんが怒っているのは、このまま突き進めば医療崩壊を招きかねないこと。保険証の無資格者が続出し、国民皆保険は、その存立を揺るがしかねない事態に陥ると思います」
どういうことか。
「われわれとしては、直ちにマイナ保険証を停止し、解決策を考えてほしい」
と、全国保険医団体連合会の住江憲勇会長が後を受けて言う。
「私たちが全国の医療機関で行ったアンケートによると、回答があった1万件のうち、現時点でトラブルが起こったと答えた割合は3分の2にも及びます。その中の3分の2は保険証が無効とされる事案で、3640件もありました。そもそも今、マイナ保険証を提示される方は全体の6%、16分の1に過ぎません。しかも、全国に医療機関は18万カ所ありますから……」
マイナ保険証に一本化されれば、単純計算で3640×16×18。100万件を超えるトラブルが予想されるというのだ。
「これだけならまだ支払い上の問題ですが、先のアンケートでは他者の医療情報の誤登録も114件あった。政府はこれを単にトラブルと呼びますが、病歴や血液型、処方歴、アレルギーなどの誤認は命に直結するため、トラブルでは片付けられません。それもGW明けから6月までの短期間でこの数字です。本当に一本化が始まれば、一体、何が起きるのか……」
かくして、デメリットばかりが目立つ“マイナス事業”へと変質した一連のマイナ事業。
ここで立ち止まれるか、あるいは突き進むのか。
岸田政権は発足以来、最大の山場を迎えたのだ。
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