チーム力が落ちている巨人は今後もキツい…浮上のカギを握る選手は?【柴田勲のセブンアイズ】

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「甘い球だけ狙う」を徹底

 野手も投手も難しく考えず、易しく考えるべきだ。第2戦の左腕・伊藤将司には7回を4安打無失点に抑えられた。

 伊藤将には5連敗、直近2年間で1得点だ。巨人の各打者はボール球を振って助けていた。スタメンに北村拓己を起用するなどしていたが、伊藤将も「苦手だから意識しているな」と優位に立てる。

 でも前述の通り、ボール球を追いかけては振っていた。甘い球だけを狙う。周知徹底が攻略の第一歩ではないか。

 戸郷翔征、菅野智之、ヨアンデル・メンデスが好投した。でも野球は点取りゲームだから味方が点を取ってくれないと、どうしても苦しくなってくる。

 やはり打線の奮起が必要だ。でも最近は「魔の7回」とか「魔の8回」なんて言葉を聞かなくなってきた。

大勢の登録抹消

 首位・阪神の救援投手陣の防御率は第3戦前までリーグ1位の2.63、巨人のそれは3.95でワースト。だが、交流戦から防御率が2点台と安定してきた。

 高梨雄平、中川皓太、鈴木康平、タイラー・ビーディ、大江竜聖、菊地大稀……彼らが頑張っている。これは救いだ。

 抑えの大勢が登録を抹消されただけになおさらだ。これは意外だった。右上肢のコンディション不良だという。

 4連投、5連投したわけではない。出るのは勝ちパターンの時だけだ。思うに疲労に加えて走り込みが不足していたのか。それともフォークを投げていることから来ているものなのか。

 確かに横から投げると肩にはそれほど負担がかからないがヒジにはかかる。それが影響していたのか。いずれにせよ万全の状態で再び出てくることを願う。

岡本和よ、頑張れ

 巨人が新外国人投手として前ナショナルズ傘下3Aロチェスターのアルベルト・バルドナードを獲得した。196センチ、122キロの巨漢左腕だそうだ。

 ブルペン陣の層を厚くするのが狙いだろうが外国人選手はやってみないと分からない。最初に好投すれば「オー、使える」となるし、失敗すれば「こんなものか」となる。

 何事も最初が肝心だ。その意味では初登板は注目だろう。

 とにかくキャプテンの岡本和よ、頑張れである。巨人浮上のカギを握っている。4番が活躍すると他の選手にも波及する。

 まだ折り返しだ。キツいにはキツいがまだまだ挽回できる。チーム一丸で戦ってもらいたい。(成績は3日現在)

柴田勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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