チーム力が落ちている巨人は今後もキツい…浮上のカギを握る選手は?【柴田勲のセブンアイズ】
チーム力低下
巨人が阪神との3連戦を1勝1敗1分で終えた。シーズン72試合目を貯金1、首位と5.5ゲーム差で折り返した。
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今後を考えると、キツいよね。今回の3連戦にしても、3連敗しなくてよかった。これが正直なところだ。
初戦は代打・岸田行倫のサヨナラ本塁打で勝ったが、これは10年に1回あるかないかのことだ。岡本和真、丸佳浩、中田翔が打ったのならともかく、思いもよらぬ伏兵の一発だ。そうそう気勢は上がらない。
いまの巨人はチーム力が落ちてきている。打線をいじって試合に臨んではいるけどなかなかタイムリーが出ない。それでも交流戦の時は2ラン、3ランが出たが、いまはシングルばっかりだ。
不調が伝染
この3連戦のヒット数は5、4、5。四球で歩かないしヒットが少ないから結局はシングルで1点を取って終わりだ。奪った得点はわずかに4。チーム打率.250の強力打線が阪神投手陣にはお手上げだ。
前回も記したが一番離脱してほしくない選手が離脱してからおかしくなった。言うまでもなくチームの要である坂本勇人だ。坂本が戦列を離れてから1勝4敗1分、本当にわかりやすい。
秋広優人が頑張ってはいるけど、主砲の岡本和が調子を崩してきた。なんとかしたい。自分が打たなきゃ……この責任感から気負って、ボール球を振りにいっている。ここ6試合、ノーアーチで打率もジワジワと落としてきている。
4番がこうなると他にも伝染する。丸には相手投手がクイックやタイミングを外して攻めてきている。丸本人は四苦八苦して対抗策を打ち出しているが、こうなると相手も丸が苦しんでいることを察知する。かさにかかってくる。またやる。
もっとどっしり落ち着いて、甘い球だけを振ればいい。考え過ぎていないか。
中田にしてもそうだ。このところの不調は右太もも裏の肉離れの影響だけではないと思う。スタメンから外れることが多くなり、万全の状態でないことはわかる。
だが、ストライクを見逃がしてボール球に手を出している。追い込まれると右翼方面への打球を意識する。結果、こぢんまりとした印象を受ける。
中田の魅力は甘く入って来た球をガーンと豪快に飛ばすことだ。長打力だ。人間の特性はそう変わらない。本来の魅力を前面に出した方がいい。
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