日本共産党の志位委員長が、批判されるといつも使う“決まり文句” 元幹部は「誤魔化す体質は今に始まったことではない」
産経新聞(電子版)は6月24日、「『「長すぎる」批判は共産攻撃』 委員長20年超の志位氏」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。日本共産党の志位和夫氏(68)は2000年から党委員長の座に就いており、見出しの通り「長すぎる」との批判は少なくない。
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【写真をみる】当時は「プリンス」と呼ばれていた 31年前、若かりし頃の志位委員長
ところが、志位氏は理由を挙げて「長くない」と反論するのではなく、《反共攻撃の中で支配勢力から意図的に持ち込まれた議論だ》と主張した。反共攻撃とは穏やかではない。担当記者が言う。
「共産党は6月24日から第8回中央委員会総会を開き、志位さんが『幹部会報告』を行いました。その中で《日本共産党の指導部のあり方についての批判・攻撃にも答えておきたいと思います》と切り出し、《この攻撃の本質は、日本共産党そのものに対する攻撃》と主張したのです。この演説は共産党の公式サイトにも動画と全文が掲載されています」
志位氏の発言を正確にお伝えするため、公式サイトに掲載された全文から引用しよう。
《「委員長の在任期間が長すぎるのが問題だ」という批判・攻撃があります。たしかに他党に比べれば長いのは事実です。しかし、批判者たちは、「長い」ことのどこが「問題」と言っているのでしょうか。結局、批判の中身は、「選挙で後退した」「党勢が後退した」というもので、私個人が政治的に重大な誤りを犯したとか、品性の上で重大な問題点があるという批判ではありません。つまりこの攻撃の本質は、日本共産党そのものに対する攻撃ではないでしょうか》
陰謀論と紙一重
長くてどこが悪いのか──開き直りとも思える発言だが、これについては後で詳述する。先に進み、反共攻撃のくだりを紹介しよう。
《「長すぎるのが問題」という批判は、2020年の第28回党大会にむけた討論ではまったく出なかった批判であり、21年総選挙いらいの反共攻撃のなかで支配勢力から意図的に持ち込まれた議論だということを指摘しておきたいと思います》
志位氏は千葉県立千葉高校から東大に進み、物理工学科を卒業している。文春オンラインの記事には《超個性的な秀才》と書かれ(註1)、Twitterで《志位和夫 秀才》と検索すれば大量のツイートが表示される。
頭脳明晰なのは折り紙つきだろう。とはいえ、《反共攻撃のなかで支配勢力から意図的に持ち込まれた議論》という主張はいただけない。例えば、朝日新聞デジタルは6月27日、「苦境の共産党、野党共闘進まず孤立 『長期政権』批判に志位氏が反論」との記事を掲載、次のように伝えた。
《志位氏の委員長在任期間は22年を超え、党員の直接投票で委員長を選ぶ「党首公選」を求める声が公然と上がった》
朝日新聞も「長すぎる」の議論に触れたわけだ。まさか同紙が《支配勢力》のはずもない。となると、《支配勢力》が共産党を攻撃するため、朝日に記事を書かせたことになってしまう。ちなみに《支配勢力》の語を《闇の支配者》に置き換えれば、立派な陰謀論の出来上がりだ。
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